今回の主な登場人物
ヒロイン 福来スズ子/花田鈴子(趣里)
スズ子最愛の人 村山愛助(水上恒司)[回想]
マネージャー 山下達夫(近藤芳正)
―村山興業―
社長 村山トミ(小雪)
東京支社長 坂口(黒田有〔メッセンジャー〕)
社長秘書室長 矢崎(三浦誠己)
第19週「東京ブギウギ」
愛子の誕生から3か月。スズ子は1人、育児に奮闘していました。
箱根旅行の際に撮った写真を遺影にしているようです。授乳は規則正しいようですが、家事もやらなきゃいけないし、ワンオペ育児は大変。『らんまん』の万太郎や『舞いあがれ!』のタカシくんみたいな夫がいれば、夜間も眠れそうですが。
山下さんが「そろそろ仕事復帰を……」と話をしに来るも、まだそれどころではない様子。魚が焦げてバタバタした時に愛子が泣いたのは、おむつよりもスズ子の大きな声にびっくりしたんじゃないかと思います。
スズ子は子守唄を歌わないのだろうか。
ある日、坂口が訪ねてきます。トミがスズ子に話があり、大阪からやって来るとのこと。翌日、トミは坂口と矢崎を連れてスズ子の家を訪れます。
坂口は村山興業(東京支社)へ来て欲しいとスズ子に伝えていましたが、トミのほうからやって来たのは、育児経験者の気遣いでしょうか。母親がいかに忙しいか、坂口と矢崎に言っていたから。スズ子の「お母ちゃんかて行きたないわあ」は、とてもリアルに感じられました。感情がこもってた!あんなに結婚に反対されて、引き離されて、行きたくないよなあ。
トミが愛子を抱っこした時の安定感は、さすが実際に子育てされている小雪さん。「ああ、お母さん」という感じ。
トミは最後まで結婚を認めなかったことを「間違うてたんやろか」と、自問していました。自分が夫と同じ夢を見て、社員や芸人たちも同じ夢を見て会社を大きくしてきた。愛助夫婦にも踏襲させたかった。それはトミ自身が、そういう夫婦、家族の姿しか知らなかったから。でも、愛助は最後までスズ子と夫婦になる(2人がそれぞれ前を向いている)ことを望んで亡くなりました。
スズ子は、トミも愛助も間違っていない。家族に間違いはないと答えます。
また、トミは愛子を引き取りたいと申し出ますが、スズ子はきっぱりと断りました。
ただ、本当にあかん時は助けてほしいと言うスズ子に、トミは「当たり前や、孫やで」と返します。
やっと、スズ子とトミの間に笑顔が。
それに、あんさんとワテは
同じ男をとことん愛した仲や
ちょっと柄やなかったな
愛助も照れてるわ
笑いを忘れないトミが好きです。
最後にトミは「また歌うてくださいね」と伝えます。愛助も天国で楽しみにしていると思う、と。トミも実はスズ子の"歌"のファンでした。スズ子は愛助の遺影に向かい「そろそろ、歌わなな」と話しかけます。
山下さんが、スズ子の歌を待っている人たちがいると言った時には、うーん……まだ……みたいな調子だったのに。歌わなきゃと思ったのは、愛助の言葉を思い出したからでしょうか。戦時中も愛助に背中を押されて、再び巡業に出る気力を取り戻していました。
愛助と出会って以降、歌うのが本当に好きなんだろうか?と思うことがたまにあります。今回は、初めての育児に精一杯だから、仕事を再開するのはなかなか難しいと考えていた……ということですよね。
【画像:illustAC】