今回の主な登場人物
ヒロイン 福来スズ子/花田鈴子(趣里)
スズ子最愛の人 村山愛助(水上恒司)
マネージャー 山下達夫(近藤芳正)
―村山興業―
社長 村山トミ(小雪)
東京支社長 坂口(黒田有〔メッセンジャー〕)
社長秘書室長 矢崎(三浦誠己)
―村西医院―
院長 村西(中川浩三)
看護師長 東(友近)
第18週「あんたと一緒に生きるで」
スズ子のもとに愛助から葉書が届きます。
今は食欲も出てきて快方に向かってるで
この病院、ご飯がえらく美味いんや
あとはお腹の中の子の名前を考えるのが毎日の楽しみや
帰る帰る言うてなかなか帰られへんで申し訳ないけど、予定日までには絶対に帰るつもりです
葉書には「食欲が出てきて〜」と書いてあるものの、実際は食事に手を付けていません。病状が非常に悪いことが一見して分かるほど顔が青白く、目は虚ろ。
自分はもう助からないと悟るも、トミに、病気を治してスズ子と結婚すると言います。スズ子は人生を明るくしてくれた唯一の女の人(お母ちゃん以外で)。病気を治したら何でも言うことを聞くから「治して」と言うトミの口調は、祈るようで胸が苦しい。もっと早く、こんなふうに話せていたら……。
数日後の夜。坂口と山下さんのもとに、大阪の矢崎から、愛助が危篤との連絡が入ります。スズ子に話すべきか、それとも愛助の願いを聞いて話さないでおくべきか。答えが出ないまま2人がスズ子を訪ねると、陣痛が始まっていました。
スズ子は愛助の丹前を握り締め、分娩室に入ります。「痛いー!」「愛助さん、お母ちゃーん!」「愛助さん、痛いでー!」と息む様子に、坂口と山下さんと同じくグーッと力が入りました。
一方、愛助は最期の力を振り絞り、スズ子へ手紙を書きます。
産婦人科のシーンは、スズ子の大きな声や坂口と山下さんの動き、院長と看護師の声掛けなど、とにかく明るい。対して大阪は病室も暗く、静かで雨の音が聞こえるばかり。あまりにも対照的で、愛助の切なさが際立ちます。
スズ子は女の子を出産。産声を聞いた坂口は、すぐさま大阪へ電話をかけます。しかし、誕生の喜びで興奮していた坂口が無言に。電話の向こうにいる矢崎は、泣き崩れていました。病室のトミの後ろ姿が映された時は無音――。
娘の誕生と愛する人の死。同時に起こるなんて、辛すぎます。
【画像:illustAC】