前回に続き、2日遅れの連続テレビ小説『ブギウギ』第71回の感想です🐢

 

音符今回の主な登場人物音符

ヒロイン 福来スズ子/花田鈴子(趣里)


村山愛助(水上恒司)


―福来スズ子とその楽団―

トランペット 一井(陰山泰)

ピアノ/アコーディオン 二村(えなりかずき)

ギター 三谷(国木田かっぱ)

ドラム 四条(伊藤えん魔)

マネージャー 山下達夫(近藤芳正)

スズ子の付き人 小林小夜(富田望生)


アメリカ兵 サム・ブラウン(ジャック・ケネディ)

第15週「ワテらはもう自由や」

昭和21年(1946年)1月。

日帝劇場の再開公演以降、福来スズ子とその楽団には依頼が殺到。「たまに何処で歌っているのか分からない時がある」とスズ子が言うほど、毎日休みなくステージに立っていました。

再開公演から2か月くらいですよね。丸一日仕事ということは、ほとんどないでしょうけど、それでも休みなく毎日はキツイ。

疲れているはずですが、スズ子は「歌っても間に合わない」と生き生きとしています。愛助もまた、スズ子の再開公演に力をもらい「(戦争が終わり)やっと夢に向かって頑張れる」と、意欲的に勉学に励んでいるようです。互いを応援し、健康も気遣い、良い影響を与え合っているように感じます。

幸せ、きっと、いっちゃん幸せ。ただ、前回の愛助の「一生忘れへん」という台詞と、昭和21年になった(第1回の冒頭は昭和23年)ことを考えると……分かっていてもやり切れない気持ちになります。


絶好調なスズ子楽団ですが、近頃、三谷さんと四条さんの遅刻、予定が合わないことが増え、小夜ちゃんも腹痛で早退するように。

二村さんによると、三谷さんと四条さんの2人は、ほかの楽団の助っ人をしているそう。腕が立つメンバーですから、人手不足のご時世に声が掛かるのも仕方ない。二村さんは不義理だからと断っており、一村さんにも引き抜きの話がありました。

えなりくんが誠実な二村さんを演じるのは、とても説得力があります。


メンバーたちの状況を知ったスズ子は、楽団の解散を決断。


もう、みんな好きな時に、好きな音楽で食べていける

ワテらはもう自由や


三谷さんと四条さんが助っ人をしていると聞いて、スズ子は嬉しく思っていました。「ほかの楽団?はぁ?」とならないスズ子は立派です。俯瞰して判断できるんだよな。

一村さんの「楽器鳴らして戦争を生き抜いた」も素敵な言葉でした。楽団結成から4年以上、はじめは仕事の依頼が全然なくて、合同コンサート以降は地方巡業に。苦楽を共にした人たちとの別れは寂しいものです。


楽団は解散しましたが、スズ子は今後も山下さんと小夜ちゃんと一緒にやっていこうと考えていました。しかし、小夜ちゃんは辞めさせて欲しいと言って走り去ります。


サムに歌手になりたいか尋ねられた小夜ちゃんは、一瞬戸惑いの表情を浮かべながらも「of course」と答えました。でも、付き人をしているうちに、その思いは萎んでしまったのかもしれない。歌の稽古もつけてもらっていないし(それどころではなかった)。

また、歌ってと請われて『ラッパと娘』をぎこちない振付で歌った時の周りの視線と笑い。小夜ちゃんは嘲笑と受け取ったようで、視線に耐えられないようにも見えました。会津磐梯山だったらよかったのに。

スズ子のような歌手になりたいと言って弟子入りしたけれど、圧倒的な差というか違いというか、とうとう実感してしまったんじゃないか。または、そもそも歌手になりたいわけではない。

小夜ちゃんの前のめりな性格を考えると、サムといい感じだから仕事を辞めてこのまま……と思うこともあり得るような気がします。


【画像:illustAC】