今回の主な登場人物
ヒロイン 福来スズ子/花田鈴子(趣里)
村山愛助(水上恒司)
歌手 茨田りつ子(菊地凛子)
―福来スズ子とその楽団―
トランペット 一井(陰山泰)
ピアノ/アコーディオン 二村(えなりかずき)
ギター 三谷(国木田かっぱ)
ドラム 四条(伊藤えん魔)
マネージャー 山下達夫(近藤芳正)
スズ子の付き人 小林小夜(富田望生)
第15週「ワテらはもう自由や」
日帝劇場の再開公演に出演することになり、スズ子と小夜ちゃんは楽団事務所(一井さんの家)へ。楽団員たちは曲順を話し合い、1曲目は戦時中は歌えなかった『ラッパと娘』に決まりました。
まだ終戦から3か月。一井さん宅は無事だったようですが、周囲にはまだ空襲の傷跡が残っています。でも、楽団員たちはみんな元気そう。『ラッパと娘』の演奏は久しぶり(たぶん茨田さんとの合同コンサート以来数年ぶり)、やっとジャンルにとらわれず自由に音楽を楽しめるようになり、楽団員の中でも特に一井さんが嬉しそうでした。『ラッパと娘』をずっと演奏したかったんだろうなあ。
以前の感覚を取り戻すため、夕飯の支度をしながら歌を口ずさみ、楽譜も確認するスズ子。帰宅した愛助は『ラッパと娘』の演奏が決まったとわかるや、興奮し立て板に水の如く熱弁を振るいます。忘れかけてましたけど、愛助は福来スズ子の熱烈ファンで、特に『ラッパと娘』が大好きだった……。
前みたいにお客さんが自分の歌を楽しんでくれるか少し怖いと、不安を抱えていたスズ子。でも、活動再開を「誰よりも一番(いっちゃん)楽しみにしてる」とハッキリ伝えてくれる最愛の人。最高だな〜スズ子!
迎えた本番当日。スズ子は久しぶりに長いつけまつ毛を付けます。緊張の面持ちのスズ子に、小夜ちゃんがお茶は飲むか?トイレは?肩揉みするか?とあれこれ声をかけますが、小夜ちゃんのほうが緊張している様子。
小夜ちゃんが廊下に出ると、入れ替わりに茨田さんが楽屋へ。
海軍基地での慰問公演以来、特攻隊員たちの声が耳から離れないとスズ子に吐露します。
自分の歌に背中を押され死んでいったかもしれない
特攻隊員の前で歌うことになった時から『エール』の裕一を思い出していたのですが、上記の台詞によって、弘哉くんの予科練入隊の報告シーンが重なりました。
"歌は、人を生かすために歌うもの"と信じて歌ってきた茨田さんにとって、どれほど辛くて悔しくて悲しいことでしょう。
ほんならこれからは、ワテらの歌で生かさな
スズ子の言葉が茨田さんを励まします。そして、スズ子本人も不安が消えたようでした。スズ子のこういうところに、ツヤさんを感じます
放送のラスト約4分は、茨田さんの『別れのブルース』歌唱シーン。曲の後半、マイクスタンドをギュッと握り歌ったのは、自分を奮い立たせるためかなと思いました。特攻隊員たちが浮かび、力が入ったのかもしれない。お客さんもスズ子も、茨田さんも涙。茨田りつ子の想いがいつも以上に込められた、圧巻のステージでした。
舞台袖でスズ子に「次はあなたの番」と声をかけた茨田さんは、これまででいっちゃん優しい表情。こうして2人の距離がまた近づいたようで嬉しいです。
次はスズ子の番。思いっきり歌って踊る『ラッパと娘』を首を長くして待っています。
【画像:silhouetteAC】