こんばんは🐢

3日遅れとなってしまいましたが、連続テレビ小説『ブギウギ』第66回の感想です。



 

音符今回の主な登場人物音符

ヒロイン 福来スズ子/花田鈴子(趣里)


歌手 茨田りつ子(菊地凛子)


―福来スズ子とその楽団―

トランペット 一井(陰山泰)

ピアノ/アコーディオン 二村(えなりかずき)

ギター 三谷(国木田かっぱ)

ドラム 四条(伊藤えん魔)

マネージャー 山下達夫(近藤芳正)

スズ子の付き人 小林小夜(富田望生)


藤子屋 女中 静枝(曽我廼家いろは)


村山愛助(水上恒司)

村山興業東京支社長 坂口(黒田有〔メッセンジャー〕)

第14週「戦争とうた」

静枝から戦死した夫の話を聞いたスズ子は、静枝にも歌を届けなければと心に誓います。


公演本番の日の新聞には、広島への新型爆弾(=原爆)投下の記事がありました。

劇中の新聞の見出しが、昭和20年8月8日付の朝日新聞とよく似ています。視聴者はもうすぐ戦争が終わると知っていますが、当時の人々にとってはどれほど恐ろしかったでしょう。空襲は続いていて、9日には長崎に原爆が……。坂口の言うように、日本中どこにいても危ない所ばかりと考える人もいただろうな。


スズ子は静枝に歌を聴いて欲しいと告げ、会場へ向かいます。


その頃、茨田さんも鹿児島の海軍基地で公演本番を迎えていました。

特攻隊員たちの望む曲を歌うため、彼らに希望する曲を問うと、一人の隊員が茨田さんの『別れのブルース』を要望。ほかの隊員たちも口々に「最後に聴きたい」「お願いします」と言います。

演奏が始まると隊員たちは涙を流し、席を外していた少佐も泣いていました。

戦意を喪失させるなどと言われていた『別れのブルース』でしたが、隊員らが望んだのは茨田さんの大切な一曲。


勇気づけられました

もう、思い残すことはありません

いい死に土産になります

覚悟はできました


彼らの言葉にたまらず、舞台袖へと走り慟哭する茨田さんの姿を観て泣きました。人に生きる力を与えるための歌が、死の覚悟を決めることになるとは……。


スズ子たちの演奏が最後の一曲となった時、静枝が娘の幸(さち)を連れて会場にやって来ます。

最後の曲は『大空の弟』。「大切な人のことを思って聴いてください」というスズ子の言葉通り、静枝は亡き夫のことを思い出していました。

印刷したみたいな綺麗な字を書く夫は、静枝の字を見た時には腹を抱えて笑った(真面目で普段は笑わない人なのに)。恥ずかしくて悔しくて、戦地から手紙が来ても返事を書かなかった……思い出したのがそれでいいのかと思いましたが(大切なのは"夫の笑顔"?)、スズ子の歌は静枝に届き、生きる力を与えたようです。

―追記―

歌を聴きながら静枝は泣いていたので、抑え込んでいた気持ちを放つことができ、ちゃんと悲しめたのかもしれない。


第14週は、対照的な慰問公演となったスズ子と茨田さんでした。


スズ子楽団はこの後、富山から福井へ行き2公演、岐阜で1公演の予定。金沢公演は取り止めとなったそうです。岐阜辺りで、終戦を迎えるでしょうか。


【画像:illustAC】