今回の主な登場人物
ヒロイン 福来スズ子/花田鈴子(趣里)
村山愛助(水上恒司)
作曲家 羽鳥善一(草彅剛)
羽鳥の妻 羽鳥麻里(市川実和子)
歌手 茨田りつ子(菊地凛子)
スズ子の付き人 小林小夜(富田望生)
下宿屋の主人 小村チズ(ふせえり)
チズの夫 小村吾郎(隈本晃俊)
―村山興業―
社長 村山トミ(小雪)
東京支社長 坂口(黒田有〔メッセンジャー〕)
第12週「あなたのスズ子」
愛助は、母・トミに呼び出され、村山興業の東京支社へ。トミから、スズ子に会うのは止めるよう言われ、山下がスズ子楽団のマネージャーになることも認めないと言われます。
愛助はやはり"世間知らずの坊ちゃん"なのか。二十歳そこそこの若者に、女手一つで日本随一の演芸会社にまで成長させた母の考えは理解しかねるようです。スズ子に夢中ということもあるでしょう。
トミに反論するも聞き入れられず、「スズ子に会わせなさい」としか言われません。
斯くして、トミと対面することになったスズ子。
突然のことなのに快諾するスズ子は素敵だなあと思います。自分だったら、嫌です。会いたくない。
愛助は村山興業の跡継ぎになる人間だす
重々、ご理解ください
あとは、よう2人で話しなはれ
トミがスズ子に話したのは、これだけ。
愛助は自分たちに任せてくれた!と喜びますが、スズ子は「きっぱり別れろ」という真意を理解していました。
トミの言う通り、スズ子はUSKで下積みを経験し、芸歴も人生の半分以上。思えば、桃色争議やら移籍騒動やら、さまざま経験していますよね。芸能の世界で生きる人間だから「重々、承知しております」と答えたのかな。
それでも愛助は、今のスズ子を好きな気持ちを大切にしたい。どんなに反対されても恋人でおりたい。スズ子の顔に唾が飛ぶほどの勢いで言い切ります。
その気持ちは、スズ子も同じでした。
一方、羽鳥さんは陸軍の報道班員として上海へ行くことに。慰問したり音楽会を開いたりすることが任務。もっと良い曲を書いて演奏するのが僕の戦い方、と明るく話します。
茨田さんの言うようにワクワクしているのがよく伝わってくる。羽鳥さん役が草彅くんで良かったと、つくづく思います。茨田さんとスズ子の距離が近くなったことも嬉しい。
昭和19年(1944年)の暮れ――この頃には、東京にも敵機が度々襲来していました。
空襲警報が鳴り響く中、スズ子は厠(かわや)の中。愛助が早く出ろと急かし、スズ子が履き物を履く前にお姫様抱っこして外へ。
チズさんが、どっちの家に住んでるか分からないと言うくらい、スズ子は頻繁に愛助の部屋に行っているようです。
空襲や災害の時にトイレに入っている描写って、何だかリアルに感じられました。決して可能性ゼロとは言えないですよね。
スズ子は急かす愛助に「スズ子」と呼ばれたのが嬉しくて、スズ子(鈴子か?)と呼んで欲しいとお願いします。
ずっと福来さんと芸名で呼んでいて違和感がありましたが、これで解消されそう。
いい雰囲気になり2人はキスをしますが、その直後に咳き込んだ愛助は喀血。
ずっと続いていた咳は結核によるもののようです(予告より)。咳が出てから自分では気付いていたと思うんですけど、スズ子の顔に唾が飛ぶ勢いで話したり、キスしたり。咳が出始めてから、ちょっと怖いな〜と思いながら観ていました。
ただ、結核菌を吸い込んでも多くの場合は体の抵抗力によって追い出されるそう。また、菌が体に残っても免疫で封じ込まれ発病しないことが多いようです。
今回の愛助は若さがほとばしっている感じが、いつもより強く感じられました。が、ラストの喀血の衝撃と併せて次週予告の姿は、振り幅が大きい。
【画像:illustAC】
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