遺言・相続専門行政書士の掛谷章です。

 

これからしばらくの間は、相続税について述べたいと思います。

 

今日からは、相続税額を計算するにあたって必要となる、相続財産の評価について述べたいと思います。今日は、「宅地は形状や立地によって路線価の補正が必要」についてです。

 

(注)わかりやすさを優先するため、必ずしも法律の規定どおり厳密な記述になっているとは限りません。

 

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1.さまざまな補正の方法

 

前回の記事で、市街地の宅地については、国税庁が発表する路線価によって相続税の評価額を計算すること(路線価方式)を説明しました。

 

(前回の記事)【相続税その18】相続財産の評価(その4)~宅地や畑の評価の仕方~

http://ameblo.jp/kaketanijimusyo/entry-12279898324.html

 

(参考)●国税庁ホームページの平成28年分財産評価基準

http://www.rosenka.nta.go.jp/

 

(参考)路線価図の例

 

宅地は、正方形や正方形に近い長方形の場合はさまざまな用途に利用することができますし、複数の道路に面しているような場合は価値が上がるのが普通です。しかし、極端に長細い、綺麗な正方形や長方形でない、道路に面していない、がけ地であるとかいったケースでは、その用途も限られてしまい、価値が下がるのが普通です。

 

そこで、宅地を路線価方式で評価する場合、前回の記事でも述べたように、宅地の形状や立地によって路線価を補正する必要があります。補正方法には、次のものがあります。

 

(1)奥行価格補正⇒平均的な奥行に比べて、短い、または長い

(2)側方路線影響加算⇒角地にある

(3)二方路線影響加算⇒裏側にも道路(路線)がある

(4)間口狭小補正⇒間口が狭い

(5)奥行長大補正⇒間口に対して奥行が長い

(6)不整形地補正⇒三角形など形状が長方形や正方形でない

(7)無道路地補正⇒道路(路線)に接していない

(8)がけ地補正⇒がけ地である

 

今回の記事では、代表的な2つの方法(奥行価格補正、側方路線影響加算)を紹介します。

 

 

2.奥行価格補正

 

奥行価格補正は、一方だけが道路に接している宅地でも、道路からの奥行距離が離れている場合は、評価が下がるという考え方です。

 

宅地の所在地が、ビル街、高度商業地区、繁華街、普通住宅地などの地区区分ごとに奥行距離によって補正率が決まっており路線価補正率を掛けて求めます。普通住宅地の場合、奥行距離が24~28mなら補正率は0.99といった具合です。

 

●奥行価格補正などの補正率表(国税庁ホームページより)

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka/02/07.htm#a-hyou_01

 

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●奥行価格補正の例(普通住宅地区)

普通住宅地区で、路線価100千円の道路に、奥行30m、横幅40mの土地が面している場合を考えます。

 

(1)路線価×奥行価格補正率

 国税庁の奥行価格補正率表より、奥行30mの場合の補正率は0.98

 100千円×0.98=98千円

 

(2)補正後の路線価×面積

 98千円×30m×40m=117600千円

                =117600×1000円

                =1億1760万円

-----------------------------------

 

 

3.側方路線影響加算

 

二方向で道路に面している角地は、一方だけが道路に面している宅地よりも価値が高いと評価されます。次の手順で補正します。

 

●側方路線影響加算率表などの補正率表(国税庁ホームページより)

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka/02/07.htm#a-hyou_01

 

(1)角地には路線価が2つあるので、まず、それぞれの路線価の奥行補正をし価格の高い方を「正面路線価」としもう一方の路線価は「側方路線価」とします

 

(2)側方路線価に「側方路線影響加算率」を掛けて加算額を求める

 

(3)上記(1)で求めた正面路線価と、(2)で求めた加算額を加える。

 

(4)上記(3)で求めた路線価に宅地面積を掛けて評価額を算出する。

 

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●側方路線影響加算(角地加算)の例(普通住宅地区)

普通住宅地で、路線価100千円の道路と路線価80千円の道路に、縦幅30m、横幅40mの

宅地が面している場合を考える。

 

(1)正面路線価側方路線価を求める

 国税庁の奥行価格補正率表より、

 ・路線価100千円に対する奥行は30mなので、補正率は0.98

 ・路線価80千円に対する奥行は40mなので、補正率は0.92

 100千円×0.98=98千円(正面路線価

  80千円×0.92=73.6千円(側方路線価

 

(2)側方路線価×側方路線影響加算率

 ・国税庁の側方路線影響加算率表より、普通住宅地区の加算率は0.03

 73.6千円×0.032.208千円

              

(3)正面路線価加算額

 98千円+2.208千円100.208千円=補正後の路線価

 

(4)補正後の路線価×面積

 100.208千円×30m×40m=120249.6千円

                     =120249.6×1000円

                     =1億2024万9600円

 

 

 

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⇒京都大学法学部卒業

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