親友
大学時代の、
友達の結婚式に行った。
久々のスーツ。
ネクタイを締めるのに、
時間がかかった。
会場に着くと、
「おめでとうございます。」
って係員に言われた。
自分の結婚式じゃないから、
少し戸惑ったけど、
「ありがとうございます。」
少し目を細めて、
やわらかい会釈をした。
受付に行くと、
知らない人達が同じ人を思い、
笑ってる。
不思議な感覚になった。
式場に入る。
大学時代の友人達と、
「よっ」って言い合う。
口調も表情も、
22歳の自分に戻る。
「元気か?」
ここに居るから、
お互い元気やって、
分かってるのに、
質問をする。
照れ臭くて、
肩を叩く。
入場した新婦さんの、
お父さんの手から、
新婦さんの手が、
新郎の手に渡る。
新婦さんと親族の涙に、
鳥肌が立った。
会場の外に出て、
90人で風船を青空へ飛ばす。
色とりどり、
四方八方に、
小さくなって行く。
鐘が鳴る。
みんな知らず知らず、
拍手をした。
披露宴で色んなVTRを見る。
VTRは、
職場の同僚達が作ったものや、
新婦さんとの作品。
もう俺の知らない彼がいて、
自分が今は古い友達なんだと知り、
少し寂しくなった。
けど、
別々の道でお互い、
大切なパートナーと、
仲間に囲まれて生きている。
そのたくましさに、
少しだけ誇りを貰った。
大学時代の四年間一緒に、
数え切れない思い出を作った友達。
大学三回生の一年間、
一緒に奈良や京都の駅前で、
「ゆず」を一緒にコピーしたり、
オリジナル曲を、
初めて一緒に作った。
サークルを立ち上げて、
代表と副代表として、
色んな事企画して色んな所に行った。
何十回も、
朝まで酒飲んで、
どうやったらモテルか、
どうやったら夢が叶うか、
どうやったらいい国になるか、
どうやったら宇宙人に会えるか。
難しい事から、
しょうもない事まで、
毎晩のように熱く語り合って、
夕方まで一緒に寝て、
授業をサボった。
式の最後でライブをさせて貰った。
歌う前ホンマ、
色んな事を思い出した。
なんで思い出って思い出すと、
胸が苦しくなるんやろう。
年取ったせいかな。
あの頃に戻れへんのに、
戻りたいって思ってしまうからかな。
でも、
懐かしさを感じられるって事は、
それだけ大切な人に昔、
囲まれていたって証なんやろうな。
何を忘れたかも殆ど、
忘れてしまったけど、
あの日々がはっきりと、
今の俺をかたどってる。
なぁ、
俺は今でも副代表を辞めてへんで。
あの時のように、
色んなワクワクする事考えて、
行動にうつして、
周りを楽しませて、
一緒に仲間と語り合える空間を、
作り続けてるで。
お前が今も代表として、
見守ってくれてるって思ってるから。
席の名前の、
プレートの裏の最後に、
「櫻井幹也の人生のファンより」
ってその言葉、
一生胸に刻んでおくわ。
あの頃はただの「友達」やったのに、
あれから殆ど思い出作ってないのに、
なんでか今俺はお前の事を、
「親友」やって思えるようになって来たわ。
きっと、
戻りたいって思わせてくれる、
記憶を作ってくれた人の事を、
「親友」って言うんかもな。
だから時間が経たへんと、
何事も有難さに気付かへんのかもな。
また飲もうな。
あの小さくなって行った、
風船のように、
俺らの思い出が、
何処かに消えそうになる頃、
又飲みにいこうな。
そんで、
又一緒に思い出して、
紐引っ張って、
忘れんようにしよな。
おめでとう。
ありがとう。
~櫻井幹也~
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【竜宮城~1年ぶりの
CD発売記念大ワンマンライブ~】
~関東編(ツアー初日)~
[日時]10/19(金)
[時間]OPEN18:30/START19:30
[場所]東京・外苑前「月見ル君想フ」
(http://
[料金]前売3000円
(ワンドリンク代別)
[ゲスト]玉城ちはる
[予約]info@kakerabank.com
へ[1]お名前[2]10/19[3]人数
を明記し送信して下さい。
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~関西編(ツアーファイナル)~
[日時]11/9(金)
[時間]OPEN18:30/START19:30
[場所]京都・四条「都雅都雅」
(http://
[料金]前売3000円
(ワンドリンク代別)
[予約]info@kakerabank.com
へ[1]お名前[2]11/9[3]人数
を明記し送信して下さい。
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