さようならもありがとうも伝えられずに逝ってしまったあなたへ | カケラバンクオフィシャルブログ「先の見えないこの時代で」Powered by Ameba

さようならもありがとうも伝えられずに逝ってしまったあなたへ

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何度も共演させて貰いお世話になった
「オオザカレンヂ」の良さんが、
9日急性心不全の為亡くなられた。

若すぎる死だった。

真夜中の雨上がりの交差点で、
その訃報のメールを見ながら、
呆然と青信号の前で立ちすくんでしまった。

鳥肌が何度も何度も立って、
一向におさまる気配を見せなかった。

すがるように弘に電話して、
気持ちを静めようとした。

電話を切った後、
色んな思い出を巡らせた。

20歳の時、
初めて出演させて貰った大阪のライブハウスが彼の店「ミノヤホール」だった事。

そして、
カケラバンクとして、
一番お世話になったのもその「ミノヤホール」だった事。

三人で1時間程事務所内で語り合った事。

ライブ後的確なダメだしをいつもして貰った事。

癖のあるお客さんと店の外で口論になっている彼を見た事。

とにかく熱くて、
音楽が大好きな方だった。


「又来月も宜しく御願いします!」

先週金曜日、
梅田のLOFT前で6月17日の再会を約束した。

「雨男みたいやけど来月は降らさんといてや~」

「・・・何とか頑張ります!」

それが彼との最後のやり取りになるなんて、
思ってもいなかった。

一期一会を大切に。

なんてブログで何度も書いてるし、
いつも自分に言い聞かせていたのに、
やっぱり出来ていなかった自分がいた。

又後悔を一つ増やしてしまった。

何度信号が、
赤と青変わったのを見ていただろう。

ふと意識を取り戻して
僕はゆっくりと、
自転車のペダルを踏み込もうとした。

その時地面には、
誰かが零した油のせいで、
夜には似つかわしくない虹が出ていた。

その綺麗さに見とれていたら、
一粒の雨が僕のおでこに落ちて来て、
良さんの声が空から、
聞えた気がした。

「来月の関西ライブ一緒に出来へんけど頑張ってや!
晴れへんかってもしゃあないわ。
それは俺の涙って事で勘弁してな。」

生まれて初めて、
自転車をこぎながら人目をはばからず、
大声を上げてしまった。

「お疲れ様でした!」と。

~櫻井幹也~