天気予報士にでも聞いてみるか
日曜日、
関東全域は秋の入口に立つでしょう。
前日、天気予報士は今年の冷夏が今週で終わる事を知らせてくれた。
夏がもう終わるからか、蝉はこれでもかってぐらい一斉に音を立て、
まるで耳鳴りのように俺の鼓膜を振動させた。
8月23日、午後三時。
横浜駅前のサムズアップに到着。
睡魔に襲われながらもリハーサルを終え、
ロコモコをペロリとたいらげる。
ひろむのアボガドバーガーを一口貰う。
本番20分前だというのに一眠りする。
緊張はしない。
ドキドキもしない。
けど、ドキドキしていない自分にワクワクして来る。
だって、余裕と期待しか感じていない自分がいたから。
軸以外どんなライブにしようかって決めずにやってみようって、初めて先週決めたからか、こんな種類のワクワクも世の中にはあるんだぁって初めて知った。
俺は「ワクワク」って擬音を立てた心臓音を感じながら、
一曲目「フタリ」を、
夜明けの如く始めた。
世界の静けさを感じながら、広げていった。
もしかしたら、地球の自転する音が聞えるんじゃないかってぐらいに。
一部7曲を終え、
カケラバンクの裏話満載のトークショーとサムズアップ恒例の特大パネルプレゼントコーナーを大盛況で終了し、
二部へと突入。
タイトルが決まった新インストゥルメンタル「Trip」により、
ここは2009年なんかでも紀元前89年でも5050年でもないような世界へ、
全員をTripさせた。
「この日の為に」で今まで触れていなかった母を嫌っていた過去を何故か話していた。
最後の新曲「Going My Way」
の前では、今のフタリの想いを切実に丁寧に伝えた。
「成功」の定義なんて有名になる事でも金持ちになる事でもなくて、
上京した瞬間ゼロだったファンが、今数えきれない程目の前にいるって事実を「成功」って呼ぼうと思ったって。
アンコール。
台本通りのMCを話していたら、途中からフタリは気付いてしまった。
今日のライブのタイトルが間違いだったって事に。
「フタリで出来るもん」
そう、フタリで出来る事が一杯ある事は、もう分かった。
でも、今最後に唄おうとする「Song for you」の前に、
フタリで出来ない事を見つけたくなった。
「ミンナで出来るもん」
今日のライブのタイトルをライブ中に変えると言う、聞いた事のない事を、俺たちはしてしまった。
だけど、前言撤回出来る事を幸福だと思えるようになった。
だって、それを伝える相手がいる事、
それを思わせてくれた相手がいる事、
それだけで人生はもう充分なんだから。
10月2日、
2009年最初で最後の大ワンマンライブは今日の四倍の大きさで行う。
当然、不安も期待も、もぐら叩きゲーキ機のように、毎日毎日心に現れる。
フタリで夢を見て実現させて行く事よりも、
ここにいるミンナとここには来れなかったけどカケラバンクを支えてくれているミンナと同じ夢を共有し、それを実現させた時の世界に興味が沸き始めて来た。
その時、人は、俺は、ひろむは、ミンナはどんな気分を知って、どんな人生観を持つのだろうかって事に。
だからタイトルを変えた。
あんな「Song for you」唄った事なかった。
曲が終わった瞬間に間髪いれずにWアンコールをミンナがくれるもんだから、「靴飛ばし」で、叶えてない夢の数を叶えた夢の数より少なくしたい気持ちただ一心を会場に充満させた。
・・・あれっ
今からライブだよな?
まるで行きの車中だと勘違いするぐらい
一瞬で日曜日は終わっていた。
俺は帰りの車中にいた。
前言撤回出来るライブをこれからもしたいなぁ。
目をつぶり眠そうにしていたひろむが、寝言のように呟いていた。
半分目を閉じていた俺は
「そやな。
あっ今ふと思ったんやけど・・・
なんやもう寝てるわこいつ。」
じゃあ天気予報士にでも聞いてみるか。
ライブ中にライブタイトルを変えたアーティストを
成功者と呼ばずして何と呼ぶべきだろう、
って。
~桜井モトヤ~
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【カケラバンクニュース】
39日後に迫った2009年最初で最後の大ワンマンライブ!
いよいよ明後日26日からはメールでの予約も開始致します!
kakerabank@doublewing.co.jp
へ①お名前②10月2日③人数
を明記の上、送信して頂きますと予約完了メールが届きます♪
「この世にいないトリ~お、ねだん以上。2トリ~」
[日時]10月2日(金)
[場所]原宿アストロホール(http://
[時間]OPEN 18:30 START 19:30
[料金]前売¥3,000 当日¥3,500 ※別途要ドリンク代
[チケット]8月26日の「つばさ祭09」、9月5日の横浜SKYWALKにて発売。
