又一つ、自分の攻略法を発見しました。 | カケラバンクオフィシャルブログ「先の見えないこの時代で」Powered by Ameba

又一つ、自分の攻略法を発見しました。

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エジソンがこの世に産まれていなかったら、
このスタジオで僕は暗闇の中唄を歌っていたのだろうか。

なんて事を考えながら、

新曲が完成したので、

ひろむに明るいスタジオで聞いて貰った。

無表情だった。

歌詞を何度も読み返して貰い、一つの答えを貰った。

“分かり辛い”

という答えを。

自分の思考回路をそのまま言葉にしたから、何処が分からないか分からなかった。

家に帰って、自分が今抱いている全ての想いを、初期衝動で表現したものが伝わっていない事に苛立ち、戸惑い、落ち込んだ。

そして、開き直った。

自分を曲げてまでこの直感で作り上げた作品を変えたくない、と。

それを「プライド」と名づけた。

独り事を言っていた。

この気持ちが、分からないならもういいよ、って。

でも、そんな事を言ってる自分を好きになれなかった。

多くの人に感動して貰い、音源にお金を出して買って貰う事が、どれほど難しくて素晴らしい事かは分かってるはずなのに、又開き直って呟いた。

分かる人にだけ分かって貰えたらいい、って。

それを「個性」だと名づけた。

でも、そんな事を言っている自分に自信を持てなかった。

ふと、東京に来た意味を考えた。

もっともっと音楽というものに真正面から向き合いたい、
そして自分の殻を何枚もめくったりめくって貰える人達に出会いたいからだ、という理由に辿り着いた。

だから、伝えたい想いをちゃんと伝わる言葉と流れに変えようと、もう一度作り直した。

言葉を沢山使えば伝わると思ってた自分が恥ずかしくなっていた。

シンプルな言葉遣いで多くの人の最大公約数を歌う気遣いの面白さが何だか分かり始めてきた。

「私は実験において失敗など一度たりともしていない。
この方法では上手く行かないという事を発見してきたのだ。」

エジソンさん。

僕も又一つ、

自分の攻略法を発見しました。

「新曲」を作りながら「新自分」を見つけられない曲を「新曲」とは呼ばないようにしようって、

自分に嘘偽りなく思えた自分を発見しました。

 ~桜井モトヤ~