おおとり駆の城日記

おおとり駆の城日記

子供の頃からお城好き 今までに巡ったお城の感想 その他どうでもいい趣味のことなどあれこれ綴っていきます

子供の頃からお城好き 今までに巡ったお城の感想 その他どうでもいい趣味のことなどあれこれ綴っていきます

滋賀県甲賀市の水口城(みなくちじょう)です。


甲賀といえば、伊賀と並ぶ「忍者の里」として知られています。

私が子供のころは「こうが」と読んでいましたが、今は「こうか」が正しいそうですね。


水口城はその甲賀市のほぼ中央、近江鉄道水ロ城南駅の北、約150mのところにあります。


現在残る水口城は寛永11年(1634)江戸幕府3代将軍・徳川家光が京都への上洛の際の宿舎として築かせた城です。小堀遠州が作事奉行を務め、城の縄張りは二条城を模したといわれ、本丸にも規模は小さいながらも豪華な御殿が造られました。

しかし、実際にこの御殿が将軍の宿舎として使われたのはこの家光上洛時の一度きりでした。

それ以降は幕府の直轄領として城番が置かれていましたが、約半世紀後の天和2年(1682)加藤明友が2万石で城主となり、水口藩が成立します。

その後、城主は鳥居氏に一度変わりますが、聖徳2年(1712)に再び加藤氏が2万5千石で入り幕末に至ります。

明治維新後、水ロ城は廃城となり、城内の建物はすべて民間に払い下げられ解体。

石垣の一部は近江鉄道の敷石として利用されました。

平成3年(1991)に東出丸跡に乾矢倉が模擬復元され、内部が水口城資料館として公開されています。


乾矢倉

明治の廃城後、民家に移築されていたものを再移築したものです。

ただし、もとあった本丸ではなく、東出丸に復元されています。


本丸南側堀と土塁

水口城の石垣は現在乾矢倉の建っている東出丸と北西の櫓台にしか残されていませんが、南側は当時から石垣ではなく、土塁だったようです。


東海道 水口宿石碑

江戸時代に入り、幕府の直轄地となった水口は、東海道の宿場町として栄えました。

当初は旧東海道が二の丸部分を貫いていましたが、のちに東海道を北に迂回するルートに変更されました。


水口城案内図

本丸と二の丸のみのシンプルな構成で、二の丸に堀はなく土壁のような柵で城域を囲い、城内と城外を分けていました。本丸は東西約136m、南北約143mのほぼ正方形で、東側には凸形の外枡形の出丸を設けていました。

四隅には平櫓が建てられ、それぞれ方角にちなみ艮矢倉、巽矢倉、坤矢倉、乾矢倉の名がつけられていました。


一の門

かつてこの橋は、将軍の御成(おなり)の際に使用されたため、“御なり橋”とも呼ばれていました。

現在は工事中で立入禁止になっていたので、案内に従って高校のグランド脇から入りました。


本丸跡

かつて豪華な御殿が建っていたところです。

現在は水口高校のグランドとして利用されています。

歴代水口藩の城主は、同城を幕府から借りている城として大切に管理し、自身の居城であるにもかかわらず、普段は二の丸の御殿に居住し、

本丸御殿は将軍の宿舎であるとして使用しなかったといいます。


先ほどお堀ごしに見た乾櫓。内部は水口城資料館として公開されています。

もともとの櫓は平屋でしたが、移築に際して、二階建てに改造されています。

平成3年(1991)に開館しました。


内部は木造のため、現存櫓っぽい雰囲気を感じられます。


水口城模型

本丸いっぱいに御殿が建てられていました。


水口岡山城地形模型

水口城が築かれる前、天正13年(1585)この地には豊臣秀吉の家臣・中村一氏が築いた水口岡山城という山城がありましたが、慶長5年(1600)関ケ原の戦いで当時の城主・長束正家が西軍についたため、早々に廃城となり、部材などは水口城に転用されました。


水口岡山城跡

資料館の2階からはその水口岡山城跡を望むことができます。

水口城の東約1.5キロ、標高282mの古城山に築かれていました。

近年地元の有志によってバルーンで天守を再現するイベントが開かれています。


せっかく甲賀に来たので、水口城の前に甲賀流忍術屋敷や甲賀流リアル忍術館など忍者関連の施設も見学しました。


甲賀流忍術屋敷

甲賀流忍者「甲賀五十三家」のひとつ望月出雲守の実際の住居を改造した本物の忍者屋敷です。

中にはどんでん返しや隠し部屋などさまざまな仕掛けが見学できるほか、甲賀流伝書や手裏剣、まきびし、水蜘蛛などの忍者道具が展示されています。

また、手裏剣投げや忍者衣装なども体験できます。

伊賀上野にも同様の忍者屋敷がありますが、こちらのほうが観光客も少なく、屋敷の中を自由に見ることができ、リアルな忍者体験ができるのでおすすめです。


どんでん返し


2階の隠し部屋への階段

階段は引き上げることができます。


鳴子

紐に引っかかると音が鳴ります


火薬の調合に使った道具


手裏剣

実際に投げるコーナーもあります。思ったより難しいです。


まきびし

鉄ではなく水草の実で出来ています。


水蜘蛛

忍者はこれを両足に履いて水の上を歩くというイメージがありますが、実際は座って漕いだとか。


甲賀流リアル忍術館

こちらは新しい施設です。

甲賀忍者の歴史や徳川家康の伊賀越えルートマップなどのパネル展示がされているほか、忍者の研究者として有名な磯田道史先生のインタビュー映像などが流されています。



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