出水を初めて訪れたのは、もう20年も昔だ。外国人研修員を連れてサツマイモの研究でお世話になった。その時荒崎の鶴の飛来地をみたが、ここに1万羽を越すナベ鶴、マナ鶴が毎年10月から3月までシベリアから来て滞在する。土地の人の話では、荒崎は江戸時代に薩摩藩が開拓した土地で、当時から鶴の飛来があったという。

出水には江戸時代薩摩藩の出先機関があった。その武家屋敷が今でも150戸ほど麓武家屋敷として残っている。その一つ出水小学校にある御假門(おかげもん)は、昔薩摩藩主が宿泊した屋敷門で、400年の歴史がある。武家屋敷跡は60haもあり石垣と生垣に囲まれ、道路も碁盤状に整然と区画されている。貴重な歴史遺産である。