大相撲春場所の「藪にらみ」見どころ

 大好きな大相撲の春場所が3月10日から24日までの15日間、エディオンアリーナ大阪で行われます。大相撲観戦歴70年に免じてお許しを頂きいつものように今場所の見どころを「藪にらみ」します。残念なことに幕内・北青鵬の暴力事件がありそれに続く宮城野部屋のゴタゴタがありました。門外漢のネガティブな喧騒は抜きにしてこの場所の大相撲を楽しみましよう。

 第一の見どころは横綱・照ノ富士の連覇がなるかどうかでしょう。毎度のことですが場所前の照ノ富士の膝や腰の良し悪しが取り沙汰されますが稽古もしっかりできているので問題はないでしょう。当然10回目の優勝を目指しますから大関陣を交えた熾烈な賜杯争いになります。序二段から横綱に復活した照ノ富士の悲願が二桁優勝にありますからその意味からも大いに注目したいです。

 次の見どころは新大関・琴ノ若の相撲です。祖父の猛牛横綱・琴桜の四股名の継承をひと場所見送って父であり師匠の四股名・琴ノ若で初優勝を果たしたいところでしょう。最高の親孝行になります。話は早いですが新大関の優勝となれば戦前には双葉山があり戦後になってからは1949年の千代ノ山がいます。白鵬時代の1969年には秋田県が生んだ怪力・清国がいました。近年では2002年1月場所の栃東がいます。
 もう一人の大関・霧島も目が離せません。先場所の綱とりを星の差ひとつで逃したことは悔やんでも悔やみきれないでしょう。この4月には師匠の陸奥親方が定年で部屋を離れます。賜杯を抱いて再び綱に手を掛けたいでしょう。それが大関にまで育ててくれて部屋を去る師匠への最後の恩返しになります。

 照ノ富士は最近になって「早く誰か(横綱に)あがってきて欲しい」とコメントしています。2021年に昇進して以来ひとり横綱の重圧に耐えてきた横綱の本音でしょう。大相撲の華は東西に揃った横綱の土俵入りです。多くのファンもそれを待ち望んでいます。その意味では残る二人の大関にも奮起してもらいたいです。場所前に豊昇龍と貴景勝の名前が話題にあがらないのが寂しいです。とくに今場所がカド番の貴景勝は痛めた首の状態が良くないとの情報がありますから心配です。

 琴ノ若の昇進で大関とりの熱が冷め気味ですが大栄翔にはまだ権利が残されてます。そして、関脇に復帰した若元春にもチャンスがないわけではありません。両関脇の新規巻きなおしの大関挑戦も見どころです。また、幕の内上位にあがってきた王鵬と大の里の相撲も見逃せません。大横綱・大鵬が祖父の王鵬は琴ノ若と同じサラブレッドだけに今まで余計なプレッシャーを感じていたのかも知れません。しかし、ここ数場所の相撲でどうやら吹っ切れたようです。同じく上位に名を連ねた豪ノ山も加えて伸び盛りの若手力士が横綱、大関、三役陣にどんな相撲をとるか活躍が期待されます。

 新入幕力士は北の若(山形県)と尊富士(青森県)です。両力士の相撲はまだみてませんが髷が結えないほどのスピード出世の尊富士には親方衆も注目しています。伝説上の英雄「日本武尊(ヤマトタケル)」の一字を四股名に加えたこともあって超大物観を抱かせます。どんな相撲をみせてくれるか15日間が楽しみです。

※<この投稿はコロナ感染等による休場力士がでないことを前提にしています>