アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉 | 本との出会いは、師との出会い。

本との出会いは、師との出会い。

智慧は、先生から指導されて身につけるものではなく、自ら学ぶものです。ですから、先生が本であっても、生徒の意欲が高ければ、学習の成果が期待できます。書店には、素晴らしい先生方が、時代を超えて、いつでも待っています。

 市井コンサルタントとして社会人生活を積んでこられた小倉氏が、平易な言葉使いやシンプルな意味解釈により、私たちを照らす灯になるようにと執筆された本。

 小倉氏は、30歳で課長になったものの、チームをまとめることができずに、うつ病を発症。「上司としていかにあるべきか」 「人間としていかに生きるべきかと常に模索し続けていたそうです。

 この本に書かれていることは、岸見一郎先生の本と重複していますが、そんな小倉氏が抽出した部分や、付け加えたエピソードの部分は、アドラーが提唱していることを、滑らかに腑に落とすための潤滑剤になっています。

◆ 他者に認められるために行動すべきではない
 私だけではなく、誰もが、良い行動をした時は、それを認めてもらいたい、と思っているのではないでしょうか?しかし、アドラーは、他者に認められるために行動するべきではない、と言っているそうです。

 確かに、認められることが目的になってしまうと、他者が見ているところでは、良い行動をし、見ていないところでは、良い行動をしないということになってしまうかも(・・?

◆ありのままの子供を認める
 「子供は、勉強で一番になれない、と思った時、運動で一番になろう。ダメならば、芸術で、それでもダメならば……。最後は非行で注目を集めようとする。人は正しいことをして注目されないと、時に 『負の注目』を集めようとする。」

 世間の価値観が一元化し、流れに乗れない子供や人が負の注目を集めようとするならば、世の中はどんどん荒んでしまいますよね。皆が子供に人にそのような傾向があることを知る必要があるのではないでしょうか?

◆現実を受け入れ、そこにポジティブな意味を見つけていく。
 それはだれにでもできることなのです。

 岸見先生の本では、「大切なことは何が与えられているかではなく、与えられているものをどう使うかである」と書かれていることだと思うのですけれども、自分が持っているスキルを徹底的に使い倒すことで、道が拓けるのかもしれませんね。

◆原因論ではなく、目的論
 アドラーは「すべての行動には(本人も無自覚な)目的がある」そして「感情が人を突き動かす」のではなく、人は目的のために「感情を使用する」と言ったそうです。私は、激情に駆られることが少なくないので、典型的な「目的のために感情を利用する人」なのだと思います。カッコ悪いです。

◆本当に自信がある人はそれを誇示する必要がありません
 私は、自分の努力を他者に認めてもらおうという気持ちからなのか、何かとアクションがオーバーになりがちでした。これからは、誰も認めてくれなくても、自分が良いと思うことは影日向なく行動したいと思います。

 平穏に暮らしている時は、心に響かないかもしれませんが、著者の小倉広さんがそうであったように、「答えの出にくい問題」が壁として立ち塞がった時、きっと私たちに示唆を与えてくれるのが、アドラー心理学なのだと思います。

 私は、岸見一郎先生の『嫌われる勇気』『アドラー心理学入門』『アドラー心理学実践入門』『人生を変える勇気』を読み進めてきたことによって、徐々に自分自身を客観的に観察する力が芽生え、悩みの原因も少しずつ明確になってきたような気がしているので、更に視点を変え課題に真正面から立ち向かう勇気を得るために、ここに書かれている言葉を心と体に刻み込みたいと思います。