森博嗣さんの代表作である、S&Mシリーズの第一弾『すべてがFになる』で登場し、第十弾『有限と微小のパン』で去っていった天才プログラマ真賀田四季…5歳から13歳までの生い立ちを僕の視点から綴った物語…
真賀田四季の頭脳がいかに桁外れであることを説明するために記述された前半は、その実態を知りたいという欲求に突き動かされるのか、ぐいぐい引き込まれ、昨日まで読んでいたVシリーズの『赤緑黒白』とは違う作者の作品かのように、読みやすかったのだが、語り手である僕が掴みどころのない(見えない)存在になる後半は、森博嗣さん独特の読みにくさが炸裂する。
S&Mシリーズ全10巻、Vシリーズ全10巻、人によっては短編集を4巻?読み終えているという数々の篩を通り抜けることができた読者は、もはや、ありふれたストーリーを期待していないと思うが、冒頭に起こる事件は解決しないまま放置され、ミステリィとしての体を成していないあたりは、森先生らしい独特な世界だ。
すべての登場人物の存在は、彼女の凄さを際立たせるための対照でしかないような気すらしてくる。一応、プロローグで始まって本編があり、エピローグで終わるという構成になっているものの、『四季・春』は、四季シリーズにおいて起の章に過ぎないのだろう。
真賀田四季の頭脳がいかに桁外れであることを説明するために記述された前半は、その実態を知りたいという欲求に突き動かされるのか、ぐいぐい引き込まれ、昨日まで読んでいたVシリーズの『赤緑黒白』とは違う作者の作品かのように、読みやすかったのだが、語り手である僕が掴みどころのない(見えない)存在になる後半は、森博嗣さん独特の読みにくさが炸裂する。
S&Mシリーズ全10巻、Vシリーズ全10巻、人によっては短編集を4巻?読み終えているという数々の篩を通り抜けることができた読者は、もはや、ありふれたストーリーを期待していないと思うが、冒頭に起こる事件は解決しないまま放置され、ミステリィとしての体を成していないあたりは、森先生らしい独特な世界だ。
すべての登場人物の存在は、彼女の凄さを際立たせるための対照でしかないような気すらしてくる。一応、プロローグで始まって本編があり、エピローグで終わるという構成になっているものの、『四季・春』は、四季シリーズにおいて起の章に過ぎないのだろう。
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