疑心: 隠蔽捜査3 | 本との出会いは、師との出会い。

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智慧は、先生から指導されて身につけるものではなく、自ら学ぶものです。ですから、先生が本であっても、生徒の意欲が高ければ、学習の成果が期待できます。書店には、素晴らしい先生方が、時代を超えて、いつでも待っています。

疑心: 隠蔽捜査3 (新潮文庫)/新潮社

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『隠蔽捜査』『果断(隠蔽捜査2)』『疑心(隠蔽捜査3)』と物語りが進むにつれ、原理原則に基づく行動が身上の身上だった竜崎が、徐々に人間としての魅力を獲得してゆく様子が楽しい。

 大森署の署長を務める竜崎は、アメリカ合衆国大統領の来日に際し、本来であれば、方面本部長が務めるべき方面警備本部長に任命された。竜崎は、幼なじみで同期の伊丹に「警備企画長の落合と管理官の野間崎にはめられような気分だよ」と打明ける。

 警備部長の藤本は、疑心を抱く竜崎の補佐に美人キャリアの畠山美奈子を送り込んできた。畠山は、竜崎が広報室長だった時、研修に来たことがあった。原理原則に基づく行動が身上の竜崎だが、畠山に対しては勝手が違った。畠山に恋をしてしまったのだ。

 緊急会議会議に招集された竜崎は、大統領の身辺警護を担当する二人の外国人を紹介される。重要な情報とはテロの計画であり、日本人の協力者がいるという。竜崎方面本部長は、テロを未然にに防ぐことができるのだろうか?

 個性豊かに描かれた部下たちの気持ちを掴み、能力を引き出して行く竜崎。登場人物の間で交わされる会話と、竜崎の口には出さない思いだけでも楽しめるあたりは『隠蔽捜査シリーズ』に通じる他の作家さんの作品にはない魅力です。

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