透析を導入して8年目の彼女。
なかなか血糖のコントロールがつかずな日々。
体から糖が出るから
虫歯にもなりやすいそう。
何年か前に抜歯して
ブリッジかけた歯が痛くなったと
彼女からそうきいたのは
１年以上も経つだろうか。
『もう何も噛めない。でも反対側があるから』と
どこか他人事のような
よくいえば楽観的な彼女。
はやく歯医者に行ってと
ずっと言い続けてきたけれど
今回、ブリッジとは別の歯の詰め物が取れたと。
小さい詰め物だから
すぐ治るだろうし歯医者行ってくるね。
とLINEあり
一安心。
しかし、状態が思ったより悪く、
小さな詰め物を外した奥深くまで
虫歯が浸透していたそう。
次回治療の予約をいれて帰宅したその夜、
『歯が半分に折れた。後ろ側、縦半分がなくなっちゃった』とLINE。
こわい。
こわい。
わたしには
恐怖でしか無い。
ブリッジの痛いところに関しては
骨が溶けていて
抜歯をしなければならないと。
レントゲンを撮ってもその部分は空洞で何もうつらなかったそう。
血糖が高いので
骨壊死のリスクがあり
うちでは対処出来ないと言われたらしく、
わたしが通っている
大学病院の歯科に紹介状を書いてもらうことにしたそうです。
わたしは
抜歯をした訳ではないけれど
以前顎の痛みに悩まされ
歯科大に通っていました。
骨を強くするボナロンも飲んでいたので
もしかしたらを考えてCTを撮ったところ
画像診断する医師が
顎の骨壊死だと言ったのです。
診察時間が終わった夕暮れ時、
ドアの開いたCT室から
トボトボと
ばつの悪そうな顔をしてこちらに歩いてくる主治医。
『骨壊死だったよ』
あの光景が今でも忘れられず
何度も恐怖に襲われ
歯がカタカタ動くという錯覚をみるようになりました。
セカンド・オピニオンで
膠原病でかかっている大学病院の歯科に診て貰ったところ
どこをどう見て
『骨壊死』と診断したのかわからない。
あなたは骨壊死では無い。
そう言われました。
わたしにとって
『歯』は恐怖でしかなくなりました。
