医薬分業で街角に調剤薬局が激増し、

派手な看板のドラッグストアの台頭も

「街並みの景観」ということでは、ちょっと苦々しく感じていますが、

昔からの薬屋さんが全滅したかというと、けっしてそんなこともないんですよね。

 

年季のはいってそうな薬局をみつけてあとから調べると

50年くらい前の住宅地図にしっかり載っている確率高いのです。

(以前は薬事法で距離制限があったから、移転しないのが前提なのかも)

 

 
以前に1回書いたことがあったので、今回は続編です。
2年前の上の記事では
① 池袋   アサヒ薬局
② 押上   小梅薬局(現存せず)
③ 渋谷   三千里薬局 のことを書きました。
つづきです。
 
 
④ 神保町 東京薬局
 
 
すずらん通りには、「文房堂」という、関東大震災にも耐えた石組みのファサードを残す
超有名な建造物がありますが、
その右となりでひっそりと90年以上営業しているのが「東京薬局」です。
 
一般的には有名店というわけでもないから、
いつからあるのか、調べてもでてこないんですけど、
昭和5年の地図には載っているから、
すくなくとも94年はこの地で商売していたことになります。
 
 
神保町ならほかにも古いお店あるんじゃないの?
と、お思いかもしれませんが、
地図をみるかぎり、昭和5年から場所が変わってないのは
三省堂書店と文房堂と東京薬局だけです。
 
 
昭和25年になると、老舗天ぷら店の「はちまき」が登場します。
歴史の長さをウリにしてるお店ですが、昭和5年の地図には
(上の地図では見切れてますが)ありませんでした。
 
それから右下のところに、建築専門の「南洋堂書店」が移転してきて
この書店は今もあります。
 
昭和35年になっても
かわりばえなし。
 
 
 
一見、何の変哲もない街の薬屋さんなんですけど
神保町の歴史を見守ってきたんですね。
そういえば、サトちゃんのいる薬屋さんって、昭和っぽい!
 
そしたら、ドラッグストア激戦区の渋谷で
サトちゃんを発見しました!
 
 
⑤ 渋谷の道玄坂調剤薬局 → OS調剤薬局
 
 
(訂正)
このサトちゃんのいるのは「道玄坂調剤薬局」なんですが
ここを検索したつもりが、50mくらい坂下の「OS調剤薬局」がでてきたので
勘違いして記事を書いてしまいました。(よく見たら全然違う)すみません。
ドラッグストア激戦区なので、もう見分けがつかないほどたくさんあるんですよ(←いいわけ)
 
ここ(OS調剤薬局)にはサトちゃんはいないし、レトロというより猥雑な感じですが、
この激戦区で20年くらい?つづいてるのには、なにか魅力があるんでしょうね。
追記 1991年開店なので今年で33年でした)
正面にもマツキヨ、左隣にもスギ薬局、
右隣のビルはビックカメラの店舗拡大でA館になってしまったのに・・
 
 
 
これは11年前のストリートビュー。
ビックカメラと洋装生地「マルナン」のビルの谷間にあります。
 
マルナンは直後に閉店し、2018年に建て替えられたビルにドラッグストアが入ります。
このくらい最近のことだと、ストリートビューでたどれちゃうんですが・・・
 
①ピュマージ
 
②サンドラッグ
 
③スギ薬局
わずか6年の間におとなりはころころ変わっているのに
「OS調剤薬局」不滅ですね!
 
 
⑥ 清澄白河の小島薬局
 
この薬局にもサトちゃん(右下)がいましたが、
私が気になったのは、「クスリ」の袖看板。
キリン堂薬局も三千里薬局も、
昔は「クスリ」のカタカナ表示の看板がマストだった気がして・・・
 
 
深川は空襲で酷い被害を受けましたが、
一部震災後の復興建築が残っている地域があり、
この店も横から見るとアールデコ調の意匠が見てとれます。
 
 
薬局としての歴史はわかりませんが、
建築としては100年選手ということですね。
 
(追記)
3年前のテレビ朝日の「じゅん散歩」にこの薬局が登場し、
昭和3年からずっとお店をやっているという説明があったそうです。
建物だけじゃなくて、「薬局も100年選手」でした!