映画「アイリッシュ・ウィッシュ」 2024(令和6)年3月15日 Netflix配信 ★★★☆☆

(英語: 日本語訳 加藤真由美)

 

 

 

マデリンは人気作家ポール・ケネディの本の編集者として彼を支えています。

小説を実際に執筆しているのはマデリンなんですが、

片思いのポールのためならそれでもかまわないと思っています。

「ぼくたちの関係を進展させる時期だ」

というポールの言葉に、胸がたかなるマデリン。

 

 

ところが、親友のエマとヘザーにポールを紹介したとたん、

エマとポールは急接近して、あっという間に結婚がきまります。

結婚式はアイルランドのポールの実家の邸宅で・・・

 

エマはヘザーと共にブライズメイドをいいつかり、アイルランドへ。

空港でスーツケースを引き取ろうとすると

「それは僕のだ」と横やりが入ります。

奪い合っていると中身が飛び出し、男性モノの下着がでてきて・・・

結局、衣装の入ったマデリンのスーツケースは行方不明。

紛失届をだしてバスに乗ると、そこでまた件の男性と鉢合わせ。

彼は自然写真家で、ヒツジの毛刈祭」を撮りに来ていたのでした。

 

屋敷に着いたものの、ポールとエマは終始いちゃついていて

ヘザーもポールの弟のコリーといい感じ。

 

いっしょにボートに乗ろうと誘われるも、相手のいないマデリンは断って

大きな石に座って呆然としていると、

そこへ不思議な女性が現れます。

 

「その石は座ると願いが叶うのよ。目を閉じて願ってみて!」

聖ブリジッドを名乗る女性にいわれたとおり

「私はポール・ケネディと結婚したい」というと

風が吹き、花びらが舞って・・・・

 

気が付くとマデリンはポールの部屋にいて、

「彼と結婚するのは(エマではなくて)自分」ということになっていました。

 

 

有頂天になるマデリンでしたが、

恋焦がれていたはずのポールは、フィアンセになってみると、そこまで魅力的でもなく

義母となるオリビアもかなり強引な女性で、ちょっとうんざり。

 

その後、空港で荷物をとりあった男性、ジェームズと再会するも

時間が遡って訂正されているので、なかったことになっていました。

ひょんなことから彼が結婚式を撮影するカメラマンになり

撮影の打ち合わせでふたりは車で遠出するうちに意気投合。

 

 

一方、エマとポールの方が「お似合い」だということもわかって

式の直前、マデリンは神父に告白します。

 

「私は過ちを犯しました。聖ブリジッドに祈ってしまいました」

すると神父は

「聖ブリジッドには遊び心があるんですよ」

「彼女は望んだものではなく、必要なものをくれる」

                (あらすじ とりあえずここまで)

 

 

観たいとおもう映画が全くなくて

(猿の惑星は今日これから観る予定ですが)

「アイリッシュ」のタイトルに惹かれて、Netflixを開いたんですが

イメージとは真逆のコテコテのコメディでした。

 

好きな人と結ばれる夢がかなったとたん

「これじゃない感」が押し寄せて、身近な人のほうが良くなるのって

まあ、ありえる話ではありますが、

最初の空港のシーンで、ほぼ予想がつくんですけど・・・

 

ヒロイン役はリンジー・ローハン。

赤毛とそばかすがチャーミングだった彼女ももう30代後半。

「かわいい」で売る年齢でもないですが、いやいや見た目

「若作りの55歳」って感じでした。

しかも「優秀なゴーストライター」の設定。

にもかかわらず、自分の恋愛観があまりに幼すぎて、かなり辛いものがありました。

 

 

「上段の3人の三角関係」の話ですが、全員「熟年」ぽくて、

精神年齢とのギャップがありすぎ!

「恋に恋するお年頃」とか「恋する相手をまちがえちゃった」とか

それはもっと若くなきゃ通用しないと思います。

(しかもリンジーなんて、いろいろ問題起こしたりして

人生の裏も表も知り尽くしたイメージ強いからね)

 

途中で見るのを辞めようと思いましたが

最後まで頑張ってみました。

 

つづきです(ネタバレ

 

ウエディング姿のマデリンをみてエマが

「きれいよ、おめでとう!」と駆け寄ります。

「ごめんね。花嫁はあなたのはずだった。あなたたちお似合いだもの」

とマデリン。

「辛いけどこれも運命だから、生まれ変わったら彼といっしょになれるかも」というエマに

「私があやまちを正すわ!」

 

そして結婚式が始まりますが

マデリンはすでにウエディングドレスを脱いでおり、

「ポールと私は愛し合ってはおらず、結婚はするべきじゃない」

と宣言。会場はめちゃくちゃになります。

ポールとジェームズは殴り合い、ジェームズは会場をあとにします。

 

 

マデリンはあの魔法の石のところにいって座り

「願いを取り消して」と叫ぶと、時間が巻き戻り・・・・

結婚式の朝、ポールの花嫁はエマに戻っていました。

 

ブライズメイドとして、ふたりを祝福するマデリン。

「しばらく新婚旅行にでかけるから、続編を進めておいて」

というポールに

「これからは『共著』にしてほしい」と頼んでみますが、案の定、

「君が編集して僕の名前で出版する」といわれ

「そんなのはチームじゃない。これからは自分で書いて」と言い放ちます。

 

そしてジェームスを見つけ出し、ふたりの未来について話をすすめていきます。

                  (あらすじ ここまで)

 

 

一度願ったことがうまくいかなくても

「取り消したら元通り」なんて虫のいいことが起きるわけない!

と思っていたら、なんのことはない、フツーに取り消せちゃいました(笑)

 

そもそも最初に「願いをかなえる」時点で、

これから起きることをうまく操作するだけじゃなくて

過去に戻って既成事実を変えちゃう「掟破り」だから、

もう「ドラマのお約束」なんて、ガン無視ですね(笑)

 

クセの強そうな義母やマデリンの母がひと波乱起こすか、逆に収拾させるのか?

時間軸動かし過ぎて世界がゆがんでしまうのか?

いずれにせよ、ややこしいことになるんだろう、と予想していたら

「しくじり」はすべてなかったことになるハッピーエンドで

「マジですか?」と思ったけれど、

逆に気分は晴れて、快い余韻に浸れました。

 

アイルランドの自然も(ちょっと鮮明すぎたけど)

きれいに撮影されていました。

 

ただ、いい年をしたおじさんおばさんを使って

精神年齢低いロマコメはちょっと辛かったですね。