新宿区の管理する歴史的建造物、林芙美子記念館の特別公開に参加してきました。

普段は庭から眺めるしかない建物内部を案内していただけるのです!

 

 

最初に、ちょっとしたお役立ち?情報。

駐輪場に関することです。

 

最寄り駅は西武新宿線の中井駅。

以前はここから歩いてきたのですが、

歴博のメンバーズの特典で無料観覧できると聞き

去年、そばを自転車で通りかかった時に

ちょっと寄ろうかな?と思いました。

 

記念館付近の地図。

急な南向き斜面の上に建っています。

 

 

私は北側の坂の上のほうから来たんですが、

いきなりの急な階段!

記念館の入り口は階段を降り切ったところにあり、

自転車では近づきづらいです。

周辺に駐輪場も見つからず、その日はあきらめて帰りました。

 

自転車で行けば自宅からここまで20分足らず。

1時間かけて電車で行かなくても、と思い、

今日は早めに家をでて、今度は階段の下の方から近づいて

まわりをぐるぐる回ったんですが、結局駐輪場はわからず。

 

四の坂通りに自転車が1台停まっていましたが、

「駐輪禁止」の張り紙があったので、結局、

駅の方までいって駐輪場を見つけて停めてきました。

 

でも、公共の施設なのに(駐車場はともかく)駐輪場がないのかな~?

と思って、受付の人に聞いたら

「坂のこちらがわにぴったり停めてくれれば大丈夫です」

とのこと。

 

帰りに「駐輪禁止!」の張り紙をよ~く見たら・・・・

 


ちゃんと書いてある!

 

 

(張り紙のあった向かい側ではなく)

こっち側の壁にそって停めてね、ということらしいです。

なんか停めづらい雰囲気だけれど、

この先階段だから、車もバイクも通れず、邪魔にはなりませんね。

 

ネットでは、どこにも駐輪場の記載はなかったので、

良かったら参考にしてください。

 

記念館へは人影のみえるあたりから入ります。

 

記念館の全景はこんな感じ。

 

左がアトリエ棟・右が生活棟

 

アトリエ棟のなかの展示室と石蔵は、いつも観覧できますが

あとは、通常は、開放してある室内を外から眺める感じです。

 

 

ここは本来の門(閉鎖)から玄関までのアプローチ。

 

 

樹木や草花を自然のままに手入れしていて、

庭園というより植物園と言う感じ。

四季の移り変わりを感じられます。

 

 

南斜面に建っていて、今でも西武新宿線の走行音が聞こえるから

当時はもっと近く感じられたでしょうね。

 

 

 

ここからは、今日観覧できた建物内部の写真です。

 

 

① アトリエ

夫、手塚緑敏は画家だったので、彼の仕事部屋。

常時観覧可能なエリアなので今回は省略します。

今月展示替えして、今は

「戦後の林芙美子執筆再開」というテーマの展示になっています。

 

いつもは立入禁止のドア(水色)から

今日は 廊下に進みます。

 

② 書斎

本来ここは納屋だったんですが、ここが落ち着くといって

芙美子の書斎になりました。

 

庭からはちょっと奥まっていて、この部屋の存在に気づきませんでした。

本来納屋とは思えないほど、居心地がよさそう。

 

③ 寝室

 

これは庭側から見た寝室。

最初ここが書斎だったのですが、明るすぎると、

夫と息子の寝室になりました。

 

④ 書庫

書斎に本棚がないのが不思議だったのですが、

ここに保管していたようです。

今並んでいるのは当時の資料ではなく、林芙美子関連の図書資料です。

 

ここの記念館の照明器具はほとんどが失われましたが

これは数少ない戦前からの電灯だそうです。

 

 

つづいて、生活棟

 

寝室からみた生活棟はこんな感じ

 

 

⑤ 客間

北側の寒々とした殺風景な部屋で、「客間?」と思ってしまうのですが、

ここを使うのは出版社の担当者で、大事なお客は茶の間に通したそうです。

 

⑥ 小間

外からみたところ

 

部屋から庭をみたところ

 

母キクの部屋にしていたそうです。

4畳半なんですけど、網代編みの斜めの天井や、出窓や床の間で

もっと広く感じます。

 

⑦ 茶の間

全部人が映りこんでしまったので、これはネットから。

6畳ですが、ここがこの家のメインの部屋のようです。

 

 

⑧ 女中部屋

ここも北向きで狭くて条件悪いですが、

収納付きの2段ベッドという、かなり合理的な部屋のつくりです。

 

この前の廊下には紐がぶら下がっていて

これを引くと梯子が降りてきて、

屋根裏部屋にあがれるとのこと。

 

⑨ 台所

なんと驚いたことに、国産第一号の芝浦製作所の電気冷蔵庫が!

 

こんな博物館にあるようなものを見られるとは思いませんでした。

 

食器の趣味も良いです。

 

引き出しの取手も

よく見ると千鳥の形です

 

放浪の末に安住の地をみつけた林芙美子。

でもここに住んだのは約10年間で、半分くらいは戦争中だったわけで

穏やかな日を過ごせたのはどのくらいあったのか・・・

いや、長さじゃないですよね。幸せは。

 

「放浪時代」の芙美子は、映画や舞台のモデルになっていますが、

今ドラマにするとしたら、最晩年(と言っても40代ですが)の彼女と

それを支えるイケメンで糟糠の夫、緑敏氏をモデルにしたらいいのに・・・

 

 

林芙美子記念館の内部公開は年に3回くらいあるそうなので

すこしでも興味のある方には絶対におすすめです。