今頃「ひなまつり」の話題で申し訳ない。

 

この時期、一番よくかかるのが

サトウハチロー作詞の「うれしいひなまつり」なんですが、

このなかで、歌詞が正しい使われ方をしていないのは

けっこう有名な話で、

サトウハチローさん本人もずっと気に病んでおられたとか。

本来、家族のために書いたプライベートな歌が

なぜか代表作みたいになっちゃって

ホントお気の毒。黒歴史になってしまいました。

 

歌詞を掲載するのはアウトだと思っていたら、

去年の11月で「死後50年」が経過したのでちょっと安心。

 

わかりやすいところでいうと、3番の「右大臣」

 

すこし白酒(しろざけ)めされたか
あかいお顔の右大臣

 

右大臣が五人囃子より下にいるわけないじゃん!よね~(笑)

あれは随身で、今のSPみたいなもの。

勤務中に白酒飲んでほろよい、なんてもってのほかです。

 

ほかにもつっこみどころありますが、

一番罪深いのがこれ!

 

お内裏様(だいりさま)と おひな様
二人ならんで すまし顔

 

文脈上、

お内裏様 → 親王びなのお殿様のほう

おひな様 → 親王びなのお姫様のほう

 

のように受け取れるので、毎年ひな祭りが近くなると

こんな質問が投稿されるのですが・・・

 

 

 

 

いや、ふたりともお内裏様だから・・・!

 

おひな様は全員だから

二人並んで → みんな並んで

にすればよいかと思いましたが、

「すまし顔」じゃない人もいるしねぇ・・・・

 

実は、今日はここからが 本題!

 

今日の音楽ボランティアでは、はじめて

もうひとつの別の「ひなまつりの歌」を歌ってみました。

 

 

戦前の唱歌で、実は私は知らない歌だったのですが、

ためしに歌ってみたら、

今日の施設では、ほとんどのお年寄りが歌えました。

 

「子どものときに歌ったきりだけど、すぐに思い出した」

という方がほとんどで、こういうの聞くと、ほんとにうれしくなります。

 

動画も貼っておきます。

 

 
上(かみ)の段→ うえ
下(しも)の段→ した
官女(かんにょ)→ かんじょ
 
と歌っていますが、個人的にはオリジナルの方を推しますけど・・・


「もう今日から、私はこの歌の普及に努める!」
と宣言して帰ってきたのですが、
とりあえず、ブログに書かせていただきました。
普及に効力あるかはわかりませんが・・・(笑)
 



そういえば、「こいのぼり」の歌も有名なのが2つあって

 

① やねより高いこいのぼり・・・♪

 

② 甍の波と雲の波・・・・♪

 

私は両方とも歌っていますが、どうやら今は②を歌える人は少ないらしい。

 

 

今の一般的なこいのぼりセットは

吹き流し+ 黒 + 赤 + 青

のものが多いですが

①の歌詞は

 

おおきい真鯉はおとうさん

ちいさい緋鯉は子どもたち

 

とすると、青いのは誰?となってしまいます。

ま、これは別にどうでもいいんですけどね。

 

それよりも②の歌詞は大好きなので消えてほしくはないです。

微力ながら、死ぬまで歌い続けようと思っています。

 

大正時代の歌で著作権問題ないので、全文掲載させていただきます。

 

 

1、甍(いらか)の波と 雲の波
重なる波の 中空(なかぞら)を
橘(たちばな)かおる 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり

2、開ける広き 其の口に
舟をも呑(の)まん 様(さま)見えて
ゆたかに振(ふる)う 尾鰭(おひれ)には
物に動ぜぬ姿あり

3、百瀬(ももせ)の滝を 登りなば
忽(たちま)ち龍に なりぬべき
わが身に似よや 男子(おのこご)と
空に踊るや 鯉のぼり

 

 

次は端午の節句ですが、

ご存じの方は、ぜひ歌って後世に残しましょう音譜