久しぶりに本の修理の話です。

 

本の修理って、世界に何冊もない稀覯本の修復から

子どもが破った絵本にテープ貼るのまで様々ですが、

この本で扱っているのは、初心者~中級者レベル。

 

傷んで残念なことになってたり、使い勝手の悪い(自分の)本を

いい感じにリメイクしましょう・・という程度で、

様々な場面に応じてその対応が書かれています。

 

美篶(みすず)堂は、本来手製本の工房なんですが、

本の修復の依頼も多くて

限られた職人ではとてもさばききれないこともあり、それなら

「自分でやってみたら?」

と、こういう本を何冊か出しているようです。

この本もとても楽しくてわかりやすいです。

 

ところで、本の修理は

プロに頼むと、どこまで直るのか?

時間もお金もいとわない、とかじゃなく、

「普通にお気に入りの本」だったら数千円が限界ですよね。

 

この本とは無関係の他の業者(日本の第一人者)に

持ち込んだ例があったので、紹介します。

 

背表紙の剥がれてしまった

「おおきなかぶ」は

プロの手でここまで修復できました。

 

 

お見事!

といいたいところですが

1000円で買える本に数千円(多分)かけてこれ?

と思ってしまった・・・・

 

費用や時間をかければ、もっと完璧に直す技術はあるだろうし、

まあ、持っていく本のチョイスの問題なんでしょう。

ただ、

「極力原型を残す」のが、修復の原則とはいえ、

本棚に立てたときに修理跡が目立ちますよねぇ。

 

 

この本では(トップ画像の右上のように)

背表紙の原型が残っている「どろんここぶた」は製本テープを貼り、

欠けてしまった、下の「こぐまのくまくん」には新しい背表紙を作っています。

プロはこういう直しはしないでしょうが、自分の本を自分で直すのなら

こっちのほうが簡単だし、実用的と思いました。

(プロの技をひけらす本が多いなか、こういうとこが好き)

 

 

ところで、美篶堂は

昔、神田に実店舗がありましたよね?

製本材料の販売もやってないかと思い、前に探したことがあるのですが

移転したあとでした。

 

私はきちんと製本を学んだことはありませんが

適当に数をこなしていくうちに、「やり方」ではあまり困らなくなりましたが、

一番の問題は、製本に使う材料が手に入りづらいこと。

あっても高い・・・ 量が多すぎて無駄になる・・・などなど。

 

ぶっちゃけ、

東急ハンズがハンズになって以来、在庫を置かなくなったのが

一番の原因なんですけどね。

 

本にあった、必要な道具類。

(右下の難易度高めなもの以外は)

家にある道具でできそうで、ハードルは低いです。

(ほんとは専用の道具もあるんですけどね)

 

ただし、こっちの消耗品のほうは、

なんとか 頑張って揃えなくてはなりません。

100円ショップで代用できるものは

かなり限られています。

 

美篶堂はオンラインショップもあるのですが、

今見たら、栞と花布と糸と寒冷紗しか扱っていません。これは残念!

 

 

ただお値段はキハラよりお手頃な気がしました。

私は右下の「修理用和紙テープ」というのが欲しくて、

これ、「ページヘルパー」とも違うみたいだし、使ってみたいです。

一時的な品切れならいいんですけど・・・・

 

右上の「製本用クロス」は、この中では一番お高いので、

ジャンク本の修理には、もう、ダイソーでいいや!と

レザー調のリメイクシートを買いだめしていました。

 

 

そしたら、亡き父が東急ハンズで買っていた製本クロスやカットした寒冷紗が

くるくる筒状に保管してあったのが何本もでてきて、びっくり。

ありがたく使わせていただくことにします。

 

 

 

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さて、今日お直しした「ジャンクな地図」はこちら。

 

バラバラで~す!

 

 

これ、新書版の書籍型でもなく、2つ折り3つ折りの地図とも違い

それぞれのページが折りたたまれた珍しい形。

 

 

表紙と中身を強引に剥がしたら・・・

 

 

中表紙がびりびりになってしまいましたが・・・・

 

 

まあ、何とかなりました。

 

 

いろいろとボロい地図を集めてきましたが、

私が一番好きなのは

日本地図㈱の「スタンダード」シリーズかも。

 

このことは、また後日・・・