雑誌「東京人」の特集について書くのを忘れてました。

 

左が最新号。 右の2冊は図書館で借りてきたバックナンバーです。

 

 

雑誌の最新号の内容を載せていいのか迷うところですが、

目次はAmazonにも載ってたから構わないのかな?

 

 

さすが「東京人」!

と思わせるラインナップですよね。

 

実は「キャメラを持った男たち」の映画のことも

私はこの本のなかで知ったのです。

 

そして、映画のなかで一番惹かれた「映像の同定作業」について

田中傑さんの記事もありました。

 

 

あえて小さい画像にしましたが、

映画を観たうえで読むと、さらにすごさがよくわかります。

 

田中さんのトークイベントがないかな~と思っているのですが、

横浜シネマリンの初日にあったきり。

ポレポレは連日イベントがあるのに、ほかの人ばかりなので、

今後もしつこくチェックしたいと思います。

 

 

「帝都の大震災 大正十二年九月一日」岩岡商会 岩岡巽

 

映画にも出てきた岩岡巽のフィルムは、地震直後に撮影をはじめたため

撮影時にはまだ火災が起きていない場所もあり

「いつ」「どの順番で」撮影したかが重要になるわけです。

彼は手記なども残していなかったから

編集する人の主観とかが入ったら、せっかくの映像が正しく伝わらなくなってしまう。

田中さんのような専門家の解析により、

100年たった後でも新しい発見があったりするのです。

 

「大正十二年九月一日 帝都大震災大火災大惨状」 東京シネマ商会 白井茂・芹川勢三

 

関東大震災の映画で一番有名なのが、白井が撮って文部省に売った

「関東大震災大火實況」で、その後の復興事業なども含む

1時間くらいの長編で、昨日の記事にリンクを貼ってあります。

 

これは、内容はほぼ同じだけど、その前に帝国キネマに売ったものらしく

編集がちょっと違っています。

 

 

冒頭、このテロップが出た後に、

九段坂の上から神保町方面が燃え盛っている映像を映してるんですが、

神保町で火災が起こるのってもっと後ですよね?

それに、熊谷で次郎長映画を撮ってた白井が

3時間後に来られるはずないし・・・(笑)

ちなみに、文部省版ではこのテロップは消えていました。

 

 

これは以前に国立映画アーカイブで上映されたものですが、

今回取り上げられなかった映像もたくさんあり

編集をくりかえすうちに「異版」が増えたことが書かれています。

 

そして、上映会に行けなくても

多くの動画が、デジタルアーカイブで 

誰でもネットで無料でみることができる・・

というのが、なんともすごいです。

 

 

 

 

 

ところで、映画のトップ画像につかわれているこの画像。

出典は「帝都大震災大火災大惨状」で(静止画ではなく)

動画です!

 

撮影は白井茂。

映っているキャメラマンは、

彼でなければ、一体誰なのか?

後ろの人のお顔だちは高坂さんに似ている気もしますが、

そうだったらそう書きますよね。

 

キャプションは

「京橋端で映画撮影を行っているキャメラマン」

 

彼らはだれなんだろう?

無事に震災を乗り切れたんだろうか?

撮った映像は日の目を浴びたんだろうか?

 

気になってしかたありません。