映画「パーフェクト・ドライバー 成功率100%の女」 2023(令和5)年1月20日公開 ★★★☆☆

(韓国語 字幕翻訳 小西朋子)

 

 

釜山の「廃車引き取り所」

「ペッカン産業さ~ん」と呼ばれると

書類にサインしてポンコツ車を引き取る若い女性がチャン・ウナ(パク・ソダム)です。

慣れた手つきでエンジンをかけると、埃だらけのボロ車をバックで発進させ

とんでもないスピードで車を操ります。

 

「ペッカン産業」は表向きには廃車処理場なんですが

「特送(スペシャル・デリバリー)」という裏の仕事を請け負っています。

これは、郵便や宅配では運べない訳ありな「荷物」を確実に目的地に届けること。

ウナはこの会社のエース・ドライバーなのです。

 

「荷物」は人間であることもあり、この日の仕事も

2人組の男の送迎でしたが、ウナの顔をみるなり

「なんだ、女かよ」とバカにした顔。

彼らも訳ありのようで、何台もの車に追跡されるのですが

華麗なテクニックで難なくかわし

踏切に遮られた振りをして、電車の前を走り抜けます。

追っ手を振り切るすごいハンドルさばきに呆然!

「凄腕だ!」

 

拝金主義者のペク社長は、金になるなら危険な仕事もとってくるし、

分け前は社長とウナでいつも6対4。

「半々にして」というウナの要求はいつもはぐらかされています。

 

次の仕事もどうやら危険そうな匂いが・・・ (あらすじ とりあえずここまで)

 

 

 

「スペシャルデリバリー」とか、まるで「トランスポーター」の韓国版といった感じ。

ただ、ドライバーが女性で、しかも「パラサイト」のパク・ソダムと聞いたら

ちょっと見たくなってしまいます。

 

すごい運転技術のお披露目は、冒頭で軽くかましておいて、

真打はラストのクライマックスまでとっておくのが普通ですが、

本作の場合、前振りの送迎のところのカーチェイスの場面で、ほぼやりつくしちゃうんですね。

 

いつも思うんですけど、韓国映画って「手加減」の塩梅が私には理解不能で

誰にたいしてもギガ盛りして自己満足してる店主みたい(たとえが悪くてすいません)

 

ともかく、冒頭からパク・ソダムはフルスロットルで体張っています。

 

「トランスポーター」のジェイソン・ステイサム(役名忘れた)は、運転技術だけじゃなくて、

特殊部隊にもいたから、格闘術もすごいのです。

ウナは、運転と、鍵開け(ドライバーがあれば、キーなしでOK)技術だけなので

この先が心配。

ペッカン産業も、社長と修理工のアシフくらいしかいないから、大丈夫なんだろうか?

 

つづきです(ネタバレ

大がかりな野球賭博が明るみに出た、というニュースがテレビから流れます。

儲けた金を独り占めして国外逃亡を図っているのが

元野球選手のキム・ドゥシク。

彼にはなにも知らない幼い息子ソウォンがいるのですが、

2人分の偽造旅券を手に入れたときに

そこでオススメされたのが「特送」。

 

野球場で迎えを待っていると

先に場所をつきとめた賭博の元締めに見つかってしまい

観念した父は息子のソウォンに荷物を託し、

自分は拘束されてしまいます。

 

依頼と違うけど、いたいけな子どもを無視するわけにはいかず、

ウナはソウォンを車に乗せて走り出しますが

ソウォンが持っていたのはバッグにいっぱいの大金と

300億ウォンの貸金庫の鍵。

 

賭博の元締めはヤクザではなく、なんとそれを捜査する立場の

警察幹部のギョンピルなんですね。

しかも、父の遺体が発見されると(拷問して殺したのはギョンピルの手下たちなんですが)

現場から息子を連れて逃げたウナが殺人と誘拐犯にされてしまいます。

 

ウナの身元を調べるうち、

彼女は両親のいない脱北者の少女として韓国にきたことがわかります。

「あの子の審査をしたのは私よ」

国家情報院のハン・ミヨンは責任を感じていました。

「あの子は一度も犯罪歴がない。脱北者管理のことをいわれたくない」

「だから私たちも検挙に協力します」

 

ミヨンたちの捜査で、キム父のスマホが見つかりその録音履歴から

「え!犯人はチーム長だったの?」

ミヨンは驚いて、現場に部下を走らせます。  (あらすじ ここまで)

 

 

 

最初ギョンピル(電話かけてる人↑)が登場したとき、

ヤクザの若頭だと思っていたら、実は彼は「悪徳」警官でした。

潜入捜査をしているわけでもなく、

後ろにいる部下もIDぶら下げてるから捜査員でしょうね。

マルボウとかマトリのレベルならともかく、

彼が韓国警察を牛耳っているかのうような設定。

 

ソウォンはもちろん、ウナも特段犯罪者じゃないのだから

父が死んだのがわかっているのなら

日本だったら近くの交番に駆け込めばすべて決着。

ですよね。

 

韓国警察はすべてが腐敗してるから、

国家情報院を登場させないとダメなんて、そんな国には住みたくないな。

 

それにしてもギョンピルはあらゆる場所で陣頭指揮とってて大忙し。

同じような顔した人が2人いるのかと思ったくらいです。

黒幕で常に実働部隊の先頭にいる人って初めて見たかも(笑)

 

 

ペッカン産業もこの3人で回しているから大忙し。

 

 

右が国家情報院のおばちゃん幹部、ミヨン

 

ペッカン産業のペク社長

 

上のふたりのおじちゃんおばちゃんキャラで癒されましたが

後半は血みどろの接近戦がつづき、ほんとに韓国映画は

やりすぎです。(私はついていけない!)

 

 

「パラサイト半地下の家族」で共演したこのふたりがみられたのは嬉しかったし

パク・ソダムのクールビューティにほれぼれするのは間違いないです。

カーチェイスの好きな人はぜひ劇場で!

 

ただ、いろいろ「やりすぎ感」満載なので、私には合わなかったけど・・・

 

 

韓国の女優さんて、みんな同じお顔で

同じような服を着てると、私には見分けつきません。

(いわれるまでもないと思うけど)

彼女はこれからも「お直し」なしでよろしく、です。