映画 「ブレット・トレイン」 2022(令和4)年9月1日公開 ★★★☆☆

原作本 「マリアビートル」 伊坂幸太郎 角川文庫 ★★★★★

(英語; 字幕翻訳 松浦美奈)

 

 

病院のベッドに横たわる少年ワタル。

父キムラが目を離したすきに彼はビルの屋上から転落して意識がありません。

キムラの父長老(エルダー)は、父親の責任だ、犯人を捜せと追いつめます。

 

一方、レディバグ(ブラッド・ピット)はマリアビートルの指令で、

ブリーフケースを盗むために東京駅から新幹線に乗車。

列車のステッカーの貼られたブリーフケースはすぐに見つかりました。

 

そのなかには、蜜柑(タンジェリン)とレモンという兄弟暗殺者が

マフィアのボスの息子(サン)を救出時に回収した身代金が入っていたのです。

 

キムラも犯人からの呼び出しで同じ新幹線に乗っていました。

その犯人とは女子高生の王子(プリンス)で

そもそもワタルを突き落としたのはキムラをここにおびき出すためで、

病院には彼女の手下がいて、いつでもワタルを殺すことができると脅迫します。

 

簡単にブリーフケースを手に入れたレディバグが品川で降りようとすると

そこから乗ってきた狼(ウルフ)に邪魔されて降り損ねます。

ウルフは自分の結婚式に妻たちを毒殺した犯人に復讐するために

新幹線に乗り込んできていたのです。(レディバグはその時ウエイターで潜入していた)

 

 

レモンとタンジェリンは、カバンが盗まれたうえに

サンが何者かに殺されているのを知り、焦ります。

停車駅ごとにボス(ホワイトデス)の手下がカバンとサンの確認に来ていて

そのたびに、なんとかごまかすのですが、ついに静岡駅でバレてしまいます。

 

新幹線の発車に間に合わなかったタンジェリンは、走り出した新幹線にしがみつきます。

なんとか乗れたものの、

レディバグたちとの格闘中、銃が暴発して死亡。

レモンはその前にプリンスに撃たれてトイレに放置されていましたが

防弾チョッキをつけていたため、息を吹き返します。

 

米原駅から長老が乗り込み、ワタルをつきとばした犯人はプリンスだと見破り

病院に潜伏していた彼女の手下を、ナースに化けた自分の手下に殺させます。

 

京都駅で、ついにラスボスのホワイトデス本人が登場!

新幹線に殺人者を乗り込ませたのはすべて自分だといい、

プリンスは実はホワイトデスの娘で、できそこないの兄に嫉妬していたと告白します。

・・・・・この辺、ちょっと省略(笑)・・・

 

レモンの運転で再び走り始めた新幹線でしたが、レモンは橋の下に落下。

列車は制御を失い、脱線してバラバラになります。

登場人物はほぼ無事でしたが、

ホワイトデスはプリンスが仕掛けた銃で顔がふきとび、

生き残ったプリンスは蜜柑の絵のトラックに轢き殺されます。

トラックを運転していたのはレモンでした。

 

事故現場に警察より早くやってきたのはマリア。

「運が悪いとおもっていたけど、それは考え方次第で

人生前向きに生きていこう」

とかいっているうちに、電柱が倒れて

マリアの新車がつぶれてしまいます。       (おしまい)

 

 

どこかで止めようと思っているうちに

最後まで書いてしまいました。

原作とけっこう違っていたし、それを言いだすときりないので

今回は映画のことだけにしますね。

 

ともかく舞台は「日本」ということになっているので

日本語もたくさん登場しますが、日本人でなくても

知日の人なら国籍を問わず

「これ、ヘンだよね?」って思うでしょうね。

 

  

「ウルヴァリンSAMURAI」を見たときも思ったんですが、

こういう「トンデモ日本」の映画は

日本通の外人さんたちが集まって、

「間違い探し」をやったら、きっと盛り上がる気がします。

 

新幹線を貸切って日本ロケするのは最初から無理なので

ヘンテコな車両は予想していましたが、それにしてもねえ・・・

 

 

↑これはハローキティとのコラボ車両。

たまにはこういうおちゃめなのもやりますけど、

こんな車両は絶対にイヤだ!↓

 

 

なんとなく、モモもんは、東京オリンピックの「ソメイティ」に似てる気もするけど・・・

 

比べたら全然違うし、目が怖すぎ! 桃vs桜というわけでもないですよね?

 

 

いちおう律義にすべて日本語表示なんですけどね。ぜったい新幹線じゃないですね(笑)

 

ところで、ストーリーはけっこう原作とちがうところも多くて

最後の殺し合いのところで、実は、頭がバグってしまいました。

公式サイトに相関図があったので、そのまま貼らせていただきます。

 



なんでこのふたりが双子なのかもわからないけど、

レモンが「きかんしゃトーマス」が大好きで

なんでもその登場人物、パーシーやエドワード、ディーゼルにたとえるのを

そのまま生かしてくれたのはうれしかったです。そのため、レモンのセリフ量が一番多かったかも?


 

ブラピ主演だから、それに見合う豪華なキャスティングと思ったら、

それほどでもなかったですね。

タンジェリンのアーロン・テイラー=ジョンソンとホワイトデスのマイケル・シャノンくらいで

あとは監督のお仕事つながりの人たちみたい。

あと、カメオでサンドラ・ブロックとチャニング・テイタム(「ロスト・シティ」つながり?)・・・

 

日本人キャストもエルダー役の真田広之と車掌のマシオカと販売員の福島かれんくらいですが

(キムラはイギリス人の日系の人でした)

全員ハリウッドで実績のある人ばかり。

 

真田演じるエルダー(キムラの父)の最初のせりふは

「わしの孫の容態は?」

多分日本人全員が

「はっ?!」って思いますよね。

自分の息子にむかって、「わしの孫」とかいうか??

しかもこれ、字幕じゃなくて、

日本人の真田広之が日本語で息子にむかって言ってるのです。

ハリウッド映画で脚本家がどれだけえらいのか知らないけど

これはクレーム出さないとだめだよ、真田さん!

そのあとも

「彼が落ちたとき、父親はどこにいた?」

とか、彼のセリフはもれなく非常に不自然な日本語です。

 

 

最初のほうに出てくるタイトルロールもド派手なロゴで

「弾丸列車」!

そうなら、カタカナ英語で定着している「バレット・トレイン」を

わざわざ「ブレット・トレイン」に訂正しなくても

「弾丸列車」でいいじゃん!と思いました。

 

初っ端からハードル低くスタートしたので、

軽いノリで笑える映画もたまにはいいかな、と

ゆるゆるな気持ちで観ていました。

 

ブラピがウォシュレット(スマートトイレ)ネタで何度も笑わせてくれたし、

超キュートな「どうもアリガトウ」も何度か聞けたし・・・・

 

 

 

 

ホントは、上の相関図を原作と比較したりしたいところですが、

ほかにも書かなきゃいけないのがたまっているので、

今回は手抜きで失礼いたします。