映画「うちの執事が言うことには」 令和元年5月17日公開 ★★☆☆☆

原作本「うちの執事が言うことには」 高里椎奈 角川文庫

 

 

名門・烏丸家の御曹司で頭脳明晰(めいせき)な花穎(永瀬廉)は、留学先の英国から帰国した後に、

父から家督を継ぐように命じられる。

幼いころから信頼するベテランの執事に頼ろうとするが、花穎の執事に任命されたのは

父のフットマン(男性家事使用人)を務めていた衣更月蒼馬だった。

一方、烏丸家の裏では陰謀がうごめいていた。                 (シネマ・トゥデイ)

 

 

キンプリのメンバーが出演するので、舞台挨拶のある明日は早々に2階席まで売り切れとのこと。

初日の今日は空いてましたが、それでも年齢層はかなり低めで、

ちょっと不思議な雰囲気のなか、観てきました。

 

舞台となる烏丸家は由緒正しい大富豪のようで

使用人がたくさんいて、何十も部屋がありそうな大豪邸に、主人公ひとりしか住んでいません。

それにしても、

元華族か何かなら、「烏丸」というのはアリとしても、使用人まで全員小難しい名前なのはいかがなものか?

いちおう、書き出してみますね。

 

烏丸家  27代当主  烏丸花穎 からすま かえい・・・・  King & Prince永瀬廉

       執事     衣更月蒼馬 きさらぎ そうま ・・・・ 清原 翔

       前執事   鳳    おおとり    ・・・・・・   奥田瑛二

       料理人   雪蔵叶絵  ゆきくら かなえ ・・・ 原日出子

赤目家  御曹司    赤目刻弥  あかめ ときや ・・・   King & Prince神宮寺勇太

芽雛川家 御曹司   芽雛川肇大  めひながわ かずひろ・・・  前原 滉

 

芽雛川(めひながわ)とか、もう笑うしかありませんね。

以下のあらすじはもちろんカタカナ表記で・・・

 

カエイは超お金持ちのボンボンなだけじゃなくて、学業も優秀で、留学先のイギリスでは

飛び級で、18歳で大学を卒業。

日本に帰国した翌朝、目が覚めたところから始まります。

そこにいたのは、慣れ親しんだ執事のオオトリではなく、若い執事のキサラギ。

カエイの父はオオトリを連れて海外にいってしまい、

家督をカエイに譲り、その執事にキサラギを任命した、と聞かされます。

 

オオトリは、6歳のときに亡くなった母にかわり、いつもカエイのそばにいてくれて

彼の色彩認知能力にもはやいうちから気づき

「カエイさまは他の人とごらんになっている世界が豊かなのでございます」といってくれた人物。

 

「自分を大きく見せようとせず、小さく委縮せず、媚びて自らを変えることなく

人も物も空間も、ご自分の陣地に招き入れればよいのでございます」

というオオトリのことばが、今までもたびたびカエイのピンチを救ってきました。

 

言葉はていねいながら、いちいち「当主にふさわしい所作」を要求してくるキサラギはうっとうしく、

キサラギからしても、こんな我儘な若造に仕える気は毛頭ない、と思っていて、

常にかみ合わないふたりでした。

 

出席したメヒナガワ家のパーティで、カエイが傷害事件の犯人に間違われそうになったり、

キサラギにプレゼントしたネクタイがゴミ袋に捨てられていたり

烏丸家の運転手がドローンに襲われて事故を起こしたり

料理人が冤罪事件で拘束されたり・・・・

カエイの周囲で起こる様々な事件を推理して、犯人をさがしていくうちに

カエイとキサラギの間に信頼感が構築されていく・・・・・という話です。

 

原作は9巻まである、同名のミステリー小説(コミックもあり)なので、

この「謎解き」がメインと思われるのですが、少なくとも映画の中では

どうにもこうにもしょーもない話だったので、顛末は省略します。

 

主役のカエイ役の子は、この映画の告知のために最近よくテレビにでてるので、私ですら認識していました。

キンプリのことは知らないけれど、山崎賢人とかキスマイの誰かさんとかに近い

「流行りのイケメン顔」ですよね。

「新米当主」だから、別に威厳も必要なく、ハードルの低い、素人さんOKの役で、よかったです。

(ただし、セリフの量はけっこう多い)

これで執事もへたくそだったらどうしようと思ったんですが、

清原翔というモデル出身の長身のイケメン君はけっこう達者な演技で、ホッとしました。

 

問題はすべての事件のカギを握る、アカメトキヤ役のキンプリの子がねえ・・・・

完璧にネックになっていましたね。

本人の問題というより、この役はちゃんとした俳優に当てなくてはね。

最後のクライマックスでは、あんまりにも下手すぎて、変な汗がでてしまった!

 

あと、ロケ地がどこかは知りませんが、あの豪邸はどこなんでしょう?

というより、なんか、ハリボテっぽかったです。

パーティで音楽を奏でる四重奏楽団は確実に弾いてなかったし、

書斎の本棚も、ニトリの壁紙みたいにみえてしまったし・・・・・

 

ここまでけなしたあと、最後いいことを書いて終わりたいんですが、思いつかず・・・・

敢えていうなら、

カエイの父は贋作の絵画を、贋作と知っていても処分することをせず、

この絵に感動した人物の気持ちを尊重して、「退蔵のこと」と書いて大事に保管していたこと。

その心映えもですが、この「退蔵」という言葉を初めて知りました。

どこかにしまって忘れてしまったのではなく、

「使うことなく(敢えて)保管しておく」という意味なんでしょうか。

ものに対する気持ちが伝わって、いい言葉なので、これから使おうと思います。