映画「探偵はBARにいる3」 平成29年12月1日公開 ★★★★☆

原作本  「ススキノ探偵シリーズ 」 東直己 早川書店

 

 

ある日、高田(松田龍平)が探偵(大泉洋)に、

行方不明になった大学生の麗子(前田敦子)の捜索話を持ってくる。

調査を進めていくと、彼らはモデル事務所の美人オーナー・マリ(北川景子)にたどり着く。

探偵と高田はミステリアスなマリに振り回されるうちに、やがて大きな事件に巻き込まれ……。

                                               (シネマ・トゥデイ)

 

原作ミステリーはハードボイルドを気取った探偵「俺」と相棒の「高田」が活躍する人気シリーズ。

書かれたのは90年代で、事務所も持たず、当然携帯も持たず、

行きつけのバー「ケラー・オオハタ」の名刺を渡して「たいてい俺はここにいる」というアナログぶり。

 

「探偵はBARにいる」 平成23年公開 → こちら

「探偵はBARにいる 2」 平成25年公開 → こちら

 

前作の2作は、原作シリーズのストーリーを下敷きにしていましたが、

さすがに子どもでもスマホを持ってる現代の設定でこのままいくのは限界と思ったか、

本作は古沢良太氏のオリジナル脚本。

とはいえ、オリジナルキャストは過去作を踏襲していて、個性豊かでホントに楽しい。

今回の「ゲスト」たちも、あて書きしたかのようなピッタリのキャスティングで、

娯楽映画としては、今回のが一番の出来だったのでは、と思います。


 

なので、まずはキャストの紹介を。

 

「俺」 (大泉洋)  シリーズが進むにつれて、どんどん大泉洋のキャラに寄ってきてるような・・・

            お約束の「ひどい目にあう」シーンも気の毒になるくらい増える傾向に。

 

「高田」(松田龍平) 北大農学部の学生 武道の達人で頭も切れて、「俺」の弱点をカバーしてるけど

            毎回残念なくらいタイミングを外すのはなぜ?

 

「バイセクシャルの記者 松尾」(田口トモロヲ) 携帯もパソコンも持ってない探偵の貴重な情報源

 

「桐原組若頭 相田」 (松重豊) 怒らせると怖い!怒らせなくても怖い!

                  ちなみに組長は片桐竜次で、これはもっと怖い!

 

「おかまバーのフローラ」(篠井英介) オネエとオッサンのスイッチがすぐに切り替わる

 

「ウエイトレスの峰子」 (安藤玉恵) 自意識過剰のエロさがウザい!けど愛すべきキャラ

 

↑ この辺がレギュラーメンバーで、それに加え、今回のゲストたちが、やたらと豪華です。

 

「謎の女 マリ」 (北川景子)

 

「闇組織北城グループのボス、キタジョウ」 (リリー・フランキー)

 

「行方不明になる女子大生 麗子」 (前田敦子)

 

「やたらと強い用心棒 ハル」 (志尊淳)

 

リリー・フランキーの悪役は、強面の大男より、むしろリアルに怖いです。

子分たちもビックネームでないけれど、「アウトレイジ」に出ていてもおかしくないレベル。

 

前田敦子の女優ぶりは、今までうまいと思ったこと一度もないんですが、これははまり役ですね。

冒頭、左手でウニいくら丼をかきこむのとか、知性のかけらもなくて、サイコー!(これ、褒めてます)

理解力も計画性もなくていきあたりばったりに生きてるくせに、結局うまい汁を吸うという・・・

男に翻弄されてるようで、結果的に支配してるという・・・もう、ぴったりです。

 

今回のヒロイン、北川景子も、過去作の小雪、尾野真知子をはるかに上回る、最高のヒロインでした。

すっぴんでも、やつれていても、病気入院中でも、バッチリメイクでも、常に美しくなくてはいけないので、

これをクリアできる女優さんは彼女くらいしかいないのでは、と思いました。

 

私は「ススキノ探偵シリーズ」は3冊くらいしか読んでいないですが、今回は原作から離れて、

良い素材(キャスト)を古沢さんが美味しく生かした感じで、ストーリーはさほどでもない。

(なので、今回はストーリーを描くのを省略します)

 

「犯行の動機」も貧弱だし、「命を燃やすものはあるか?」というコピーも、それほど胸には刺さらなかったけど

登場人物の掛け合いとか、小ネタとか、「見せ方」の上手さに尽きる作品だったと思います。

エンドロール明けもふくめて、ずっとクスクス笑えました。楽しかった!!

 

ところで、今回は原作がないかわりに、早川文庫からノベライズが出ています。

こういう本はふつう図書館では扱わないので、自分で買うしかないかと思っていたら、

なんと、目黒区立図書館でタイミングよく借りられました!(利用するのは今回が初めてです)

ありがとうございます!!!m(__)m

 

 

 

ただ、家から遠いし、目黒区にいくのなんて、2年に一度くらい「目黒シネマ」に行くときくらい。

(正確には目黒シネマは品川区ですが)

返却もふくめると、本の値段より交通費のほうが高いことに気づいたんですが・・・まあ、いいや。

 

 

今回はネタバレしないかわりに、チラシをみていて気が付いたことを。

 

 

B4版のほうにはたくさん画像があってもネタバレなし。

それにひきかえ、B5版のほうは、大きなネタバレがあります。

これは「見せたらダメなヤツ」です。けっこうビックリしました。