映画「お嬢さん」 平成29年3月3日公開 ★☆☆☆☆
原作本「荊の城」 サラウォーターズ 創元推理文庫
(字幕翻訳 根本理恵 )
日本の統治下にあった1930年代の韓国。詐欺師たちの集団の手で育てられた少女スッキ(キム・テリ)は、
伯爵の呼び名を持つ詐欺師(ハ・ジョンウ)から美しい富豪令嬢・秀子(キム・ミニ)のメイドという仕事をあてがわれる。
スラム街から彼女とそのおじが暮らす豪邸に移ったスッキだが、
伯爵は彼女の助けを得て秀子との財産目当ての結婚をしようと企んでいた。
結婚した後に秀子を精神病院に送り込んで財産を奪う計画を進める伯爵だが……。(シネマ・トゥデイ)
襖の引手の小さな穴から部屋のようすを覗いてる女性・・・エロティック感強調の予告編では
ちょっと前の韓国映画「ハウスメイド」を連想させますが、あっちはR15だったけれど、本作はR18.
どれだけスケベなんだ~!と思っていたら、まさかの高評価。
原作は、「このミステリーがすごい」で一位を獲るようなちゃんとしたミステリーなので、
騙し合いも二転三転して、「結局最後に笑うのは誰?」みたいな・・・・
ただ本作は、「1930年代の日本統治下の韓国」という思い切った時代設定で、
日本人の大富豪の財産を奪おうと、そこの「秀子お嬢様」に取り入ろうとする「にせ伯爵」と「侍女」のふたり。
そして、「秀子お嬢様」と「侍女の珠子」がレズビアン関係になることから、段取りが違ってしまう・・
というような話です。
エロティックを売りにするだけあって、レズシーンはけっこうしつこいし、
江戸時代の日本の春画の膨大なコレクションとか、スケベ小説を秀子に読ませて、
それを、盛装した日本人紳士たちがすました顔で聞く、「朗読会」とか、
幼い女の子に放送禁止用語を連発させたり、いろいろ変態的です。
これ、評価高いんですけど、日本人には絶対無理だと思うんだけどな。
とにかく、全員が日本語が片言です。
日本語部分は字幕がつかないから、何言ってるかわからないし・・・
たまに上手にしゃべれたら、「頑張ったね」と拍手したくなります。
もう、下手過ぎて、ここは何テイクくらいやったんだろうとか、
撮影風景ばかりが気になって、少しも話にはいこめませんでした。
日本統治下の南朝鮮で、しかもほとんどが日本人なんですが、
同じ場面で急に朝鮮語になるところもあって、意味不明です。
法則性が全く分からない。
がんばって覚えようとしたけど、練習不足で、ちょっとここは日本語無理です・・・としか思えません。
このクオリティだったら、べつに全部朝鮮語で良かったんじゃない?
とにかく、(字幕のつく外国ではともかく)日本人に高評価というのが信じられません。
ちなみにDVDに入っていた予告編は、最新の韓国映画に加えて、
各国映画が「変態しばり」で集められているのには笑いました。
「私の中の獣」(獣姦映画)なんかも入ってました。
オーラスはみうらじゅんの「変態だ!」でした。
ちゃんとタイトルに変態と入れているのは良心的。