映画「メカニック・ワールドミッション」 平成28年9月24日公開 ★★☆☆☆

 

 

暗殺の仕事から離れ、平穏な日々を送るビショップ(ジェイソン・ステイサム)のもとに、

かつてビショップを裏切り姿を消したままでいた兄弟子クレインから暗殺の依頼が入る。

相手にしないつもりだったが、人質を取られて引き受けざるを得ない事態になる。

フィクサーとして世界を裏で操る3人の武器商人がターゲットとして提示され、事故死に見せかける暗殺計画を進めるビショップ。

しかし、クレインが計画遂行後に自分を殺そうとたくらんでいるのを知る。  (シネマ・トゥデイ)

 

5年前に公開されたジェイソンの「メカニック」がこちら。

「バトルフロント」「ハミングバード」「セイフ」「アドレナリン」「パーカー」・・・・などなど

たくいまれなる身体能力を生かして、数あるアクション映画の主演をこなしてきたジェイソンでしたが、

人気シリーズ「トランスポーター」の主演を降板してしまって(後任はエド・スクレイン)残念。

私は5年前に公開された「メカニック」のアーサー・ビショップがいかにも彼らしくて好きだったんですが、

暗殺者を辞めてしまうラストに続編は無理とあきらめていたら、なんとなんと、続編登場!!

 

前にも書いたけれど、ジェイソン主演のアクション映画は、ビジュアル全部同じで、ほぼすべて見てる私でも

どれがどれだけか全く見分けがつかないんですが、それぞれにはキャラの設定がきまっていて

「メカニック」のアーサー・ビショップは、ひとことでいうなら「寡黙な暗殺職人」。

たったひとりで行動、証拠を残さずすべて事故死として処理される完全犯罪に仕立てる暗殺のプロで

ビジネスに徹しているから、旧友だろうが恩人だろうが、躊躇することはありません。

前作でも恩師のハリー(ドナルド・サザーランド)をあっさりと殺してましたから。

 

ところは、ところが、知り合ったばかりのジーナ(ジェシカ・アルパ)を少しも疑うことなく受け入れ、愛してしまいます。

彼女は確かにスパイではなかったけど、あっさり人質にとられてしまったから、

結果的にビショップは敵キャラのクレインの言いなりになるしかありません。

 

ジェイソンの主演映画では、「ハミングバード」で、地味な修道女と心をかよわす場面があったくらいで、

人質にとられたら困るから、今までずっと妻子も恋人ももたなかったのにね。

 

ビショップはクレインの命令で、3人の武器商人を暗殺することになりますが、

ここの部分はいつもの感じで、証拠を残さない見事な手際。

①マレーシアの孤島の刑務所

②シドニーの高層ビル55階の空中プール

③ブルガリアの軍の秘密基地

 

ビショップが最初に住んでいたのがリオデジャネイロ、ジーナと出会うのがタイで、最後カンボジアもでてくるから

ホントにワールドワイド。まるで「ミッション・インポッシブル」ですね。

海に浮かぶ刑務所とか、空に浮かぶプールとか、地下の基地とかいかにものビジュアルで、トム・クルーズが出てきそうです。

 

ターゲット三人目のアダムスがトミー・リー・ジョーンズで、前の二人とは違ってなかなか手ごわい。

彼の登場で、ちょっと流れが変わって退屈せずにすみましたが、あまりにモブキャラを殺し過ぎで

見事なまでの完全犯罪とはいえず、「暗殺職人」のプライドはどこへいったんでしょう?

いつもながらのジェイソンの身体能力は十分生かされていたとは思いますが。