上の地図は、先日買った「昭和の東京 映画は名画座」(ワイズ出版)からの引用です。
右が昭和49年、そして左が昭和も最後の(1週間しかなかった)64年。
昭和49年の時点で、人世坐とか池袋大映はすでになくなっていたのですから
40年前ですけど、オールドファンにとっては、「ごくごく最近のこと」なんでしょうね。
(でも私にはまったく記憶がないのでそこまで昔のことはスルーさせていただきます)
池袋で一番映画館が密集していたのが、今はビックカメラ本店やヤマダ電機のあるあのあたり。
何軒もあった映画館のなかで、スカラ座や日勝はずいぶん前に姿を消したけれど、
池袋東急だけはビックカメラの横で2011年末まで頑張りましたが、閉館。
この地域の映画館は、一筋奥の「新文芸坐」だけになりました。
文芸座は人世坐の流れをくむ歴史ある名画座でしたが、
この辺は昔は風俗店や呼び込みが多くて、ちょっと女性にはアクセスが悪いです。
今も「新文芸坐」として生き残っていますが、パチンコ屋のビルのテナントなので、ちょっと寂しいな。
池袋でもうひとつの密集地域が60階通り(サンシャイン60通り)のあたりです。
ここにはテアトル池袋〈地下はテアトルダイヤ)があり、父がテアトルの株主でタダで観られたので、
子どものころからよく行っていました。
やがて老朽化で建物が取り壊され、テアトル池袋は明治通りの西武スポーツ館の向かいに移り、
ダイヤはホテルテアトルの中に入りましたが
5年前にそのビルも取り壊され、今はユニクロの店舗になっています。
(追記)
「テアトル池袋」は移転したわけではなく、わずかの期間、2館が共存していた時期があり
その間は明治通りの新しい方は「テアトル池袋2」と呼ばれていたそうです。
(この辺の情報、ネットではほとんど拾えません)
くわしくはこちら
↓
このあたりには、シネマサンシャインというシネコンの先駆けみたいな映画館もでき、それは今も健在です。
60階通りの反対側にあったジョイシネマも、壊されて跡地に立った複合ビルのなかに
「ヒューマックスシネマ池袋」として入っています。
今はこの左側の昭和64年からさらに27年たっているので、大きく様変わりしています。
適当な地図がなかったので、現在の様子を、自分で地図に書き入れてみました。
赤でしるしをつけたのが、現在稼働している映画館。
①純増したのは、ルミネの8階に2スクリーンの「シネリーブル池袋」だけですね。
私が池袋で映画をみるのは、8割がたここです。
②西口のシネマロサは、セレサがロサ2に名前を変えましたが、昭和のにおいをまき散らしながら今も頑張っています。
③シネマサンシャインは、5つあったスクリーンを6つに増やして今もあります。
④ヒューマックス池袋は、当初4スクリーンだったのを地下のアジアンキッチンをつぶして
あと2スクリーン増えました。
ここは休みの日には、チケット売り場やエレベーターの乗り口にいっぱい若者が並んでいて、大盛況という感じ。
⑤新文芸坐は逆にスクリーン数を減らして、いまも名画座の灯を守っています。
この5館のほかにも、「東池袋1丁目シネマコンプレックスプロジェクト」という計画があります。
スポルト池袋(ボーリング場やバッティングセンター)の跡地に、12スクリーン2600席の
巨大シネコンをつくる計画がもう形になって、来年にはオープンするそうです。
あともうひとつ、豊島区役所が南池袋に移転し、その跡地にシネコンをつくる計画もあるとか。
そうすると、トータルの観客収容人数でいうと、池袋が都内でトップになるかもしれませんが、
そのほとんどが「複合ビルのなかのシネコン」で、まるまる映画館なのは「シネマサンシャイン」くらいでしょうか。
でもここもかなり古いから、そのうちに建て替えて「複合ビルのなかのテナント」になるのでしょうか??