映画「白ゆき姫殺人事件」 平成26年4月公開 → まだ観ていません
原作本「白ゆき姫殺人事件」 湊かなえ 集英社
 ★★★☆☆

 

人気作家、湊かなえさんの小説は、どれも映像化で成功しており、本作も中村義洋監督で映画化。
今、観ようか迷っているところです。
「白ゆき」という美肌石鹸が大ヒットしたメーカーの美人OLが殺害され、同僚の女性社員が怪しいという噂から
ゴシップ紙の記者が会社や実家周囲の人たちに取材してきます。
前半は何人もの証言者のことばが一人称で書かれ、
後半は「関連資料」として、ネットの掲示板の書き込みやブログ、週刊誌や新聞の記事が添付されています。
とても実験的な新しい形態だとは思いますが、
ミステリーとしては、伏線の張り巡らされた複雑な話でもなく、真犯人の意外性もさほどなく、残念な感じ。

ただ、週刊誌の記事によって疑われた人間の人生が暴かれ、関係ないエピソードもすべて関連づけられてしまう・・・
興味本位で面白おかしく書かれた記事に世間がとびつき、他のマスコミの標的にされてしまったら、
善良な市民の人権なんてもうないも同然です。
これ、現実の世界でもありがちですよね。

最近だったら「STAP細胞の美人博士」とか・・・
注目されたときは(研究の内容より)美人リケ女の研究者愛用のブランドの商品が品切れになってたのに
一旦疑惑が浮上すると、手のひらをかえしたかのようなバッシング。
要するに(レベルの低い)読者や視聴者の心をくすぐるならどんなことでもしますよ、
ということで、赤星のやってることは人間としてはアウトでも、記者としてはOKなんでしょうか?

映画館でもらうチラシも何種類かありました。
 
 
 
↑ 一番下の「週刊太陽4月1日号」は、おそらくエイプリルフールだからか、
左側のマスクしてる人は井上真央じゃなくて「ざわちん」みたいですよ。
メイクだけでここまで似せられるのですね。
見出しもいかにも週刊誌の低俗な感じがよくでています。
実名を出さずにイニシャルにしたり、目に黒線をいれれば「プライバシーに配慮してる」
という認識だったら大間違いです。

今ワイドショーで一番話題になってるのが「疑惑のリサイクルショップ経営者」
今の時点で問われているのは窃盗容疑だけなんですけど、
周りの人が行方不明になってるということで、「保険金殺人」をにおわせるような報道がされています。
そのうちに何かしらの事件が明らかにはなりそうですが、
それにしても執拗な取材!
周りの人たちが、何でもかんでもぺらぺらよくしゃべるのにも驚きます。

STAP細胞の記者会見では「国民全員陪審員」と思ったのですが
この事件では「国民全員プロファイラ―」という感じ。
でもその材料はメディアから提供される意図的な一方的なものだけなんですけどね。
「白ゆき姫殺人事件」
ミステリーとしてはたいしたことなさそうですが、
ワイドショーや週刊誌(大衆紙)を観る目がちょっと変わってくるのは確かです。