映画「クローズEXPLODE」平成26年4月12日公開予定 ★★☆☆☆

 

新学期を迎えた鈴蘭高校では空席となった頂点をめぐり、野心的な新3年生たちが火花を散らす。
しかし、そんな抗争に興味を示さない3年の転校生・鏑木旋風雄(東出昌大)と
好戦的な新入生・加賀美遼平(早乙女太一)の登場により、校内の勢力図は大きく変わろうとしていた。
一方、そんな学内抗争に加え外部の不良勢力が不穏な動きを見せており……。(シネマ・トゥデイ)

邦画のなかでも「一番観ないジャンル」ではあるのですが、娘がいかれなくなった完成披露試写会。
ネットでの取引価格とか知ってしまうと無駄にするのももったいなくて参加したのですが
ほぼ全員が若い女性で、早くから並んでもらった夫には気の毒な事をしました。
席も実質最前列に近い場所で、黄色い声援がすごくて、上映前にすでにくたくたになってしまいました。
 
 

なかでもこの二人↓

 「三代目 J Soul Brothers」のメンバーのELLYと岩田剛典だそうで、女性ファンの声援が集中してました。
人気俳優というより、エグザイルのコンサートのノリなんですね、もう。
でもこのふたり、とくに右側の人は私服ではものすごい華奢で女性的ですけど、
映画の中では黒咲工業高校のテッペン「黒咲の銀竜」で、ものすごく強いんですよ。

 

鈴蘭高校のKING柳楽優弥に強面度でもひけをとっていなかったから、まあ、すごいもんです。


キャストだけでも男ばっかり15人、拍手や声援の大小ですごい差別感。大相撲の土俵入りのようで・・・
ドレスコード「黒」でそろえた衣装のようでしたが、それぞれが個性的でおしゃれで華やかでした。
 
 
爆音や炎(ホントに熱い!)が上がったり、きらきらリボンやカラス(クローズ)の羽が降ってきたり、
ド派手な舞台挨拶と声援に、自分の鼓膜が心配になってずっと耳をおさえていたのですが、
本編はうってかわってみんなおとなしく観ていてくれて助かりました。

で、本編は、前作クローズZEROのメンバーたちが卒業した直後の設定で、オリジナルメンバーは総入れ替え。
なので初めて観ても大丈夫です。

まあお話の方は全くリアリティない不良マンガで、それを再現する俳優陣も半分素人さん軍団なので、
映画作品としてはどうよ?って感じですが、コミックに忠実にセットを作ってくれた大道具さん?の仕事と
個性的なキャストの魅力は見どころかも。

バスの中だったり喫茶店だったり、ラーメン屋、銭湯、商店街・・と舞台はどこか関西の普通の街中なんですが、
だいたい学校にひとりも先生がいないし、
これだけ喧嘩して血みどろになって死にかけてるのに警察すら登場しない。
まさに無法地帯!!


施設育ちのカゼオ(東出昌大)、父が暴力団先代組長のカガミ(早乙女太一)、
少年院帰りのフジワラ(永山絢斗)・・
あたりは何となく背負っている暗い生い立ちの描写がありますが、だからといって共感できるものではないし、
「対戦型ゲーム」みたいな喧嘩の連続でして、ドラマとしてはあ~あ、という感じなんですけど、
映画ではせめて、色とりどりのワルメン、オールスターズを楽しみましょう!

主役の東出昌大は、「桐島・・・」より格段にセリフも出番も増えて大変だったでしょうが、
ほんとに彼は「スチールの人」ですね。
背が高くて、足も長くて、お顔もいちいち決まっているので、
静止画だと、立ち姿も、暗い表情も、悪い目つきも、みんな素晴らしく絵になるんですけど、
動いたりしゃべったりすると、かなり残念なことになっちゃっています。
口パクで、だれかセリフを吹き替えてくれたらいいのにね。
とってもまじめで勉強熱心な人とお見受けしたので、きっとこの先は期待できるんでしょうが・・・・

「役者」としては、なんといっても柳楽優弥がずば抜けていて、
こんな映画のへんてこな役にもかかわらず、彼の新生面をみせてくれて、ほんとに大満足!
あと、まゆが半分しかないヒール役の永山絢斗が個人的には「推しメン」です。
彼がスケベな組長(板尾創路)から「何歳だ?」と聞かれて
「18歳ッス」て答えた時に笑いそうになったんですが、
良く考えたら彼らは高校生だから、基本15歳~18歳なんでした。
でも30歳近い人もけっこう混じってましたよね。
私からしたら30歳でも充分「若者」なんですけど、現役高校生が見て違和感ないのかしら?

エンドロールで「これはフィクションです」
「高校生の飲酒や喫煙や暴力は禁じられています」
って、今さらながらのテロップ出ましたが、そのうえでこういう映画つくる意味ってあるんでしょうか?