こんにちは。
どこの世界にも、どことなく変わっている人、周りと違う空気感の人っていますよね。
子どもの世界では、それが原因でいじめられる子もいます。
でも、そんな中にすごい才能を持っている子もいます。
その才能をうまく伸ばしていけたらいいなと思います。
さて、今日の一冊は、
「ウエズレーの国」
ポール・フライシュマン 作
ケビン・ホークス 絵
千葉茂樹 訳
ウエズレーは、ひとりだけ浮いていました。
この町は、みんな同じ形の家に住み、
男の子はみんなモヒカン刈りにしています。
だから、横に髪の毛が生えてるウエズレーは、みんなにいじめられるんです。
でも、ウエズレーはそんなこと、へっちゃら。
本をたくさん読んで、いろいろな知識を蓄えています。
そして、いよいよそれが役立つときがやってきました。
夏休みの宿題に自由研究が出されたのです。
ウエズレーは、自分だけの作物を育て、
自分だけの文明を作ろうと決めました。
ウエズレーは、さっそく庭に畑を作りました。
その畑に、どこからか種が飛んできました。
誰も見たことのない、新しい作物の種です。
ウエズレーの作物は、どんどん大きくなりました。
ウエズレーは、この作物の実を毎日食べました。
皮は乾かしてカップにしました。
ジュースにもしました。
根っこは、ゆでても、焼いても、フライにしても、とても美味しい。
葉っぱは、とてもいい香り。
茎からとった繊維は、編んで帽子にしたり、はたを織って服にしたり。
その機織り機も自分でつくりました。
まさしく自分だけの国。
そうなると、気になって仕方がないのが、町の子どもたち。
はじめは遠くから眺めていましたが、だんだんやらせてほしいと寄ってきました。
以前ウエズレーをいじめていたいじめっ子たちも、やってきました。
ウエズレーは、自分の国に日時計も作りました。
一日を八つに分けて、自分の国だけの時間を作りました。
新しい数の数え方も決めました。
そうして、ウエズレーは、自分の国に「ウエズランディア」と名前をつけました。
ウエズレーは、ゲームも考えだしました。
ウエズレーの毎日は、本当に充実した幸せなものになっていきました。
そして、とうとう「ウエズレー語」が出来上がりました。
9月になって学校が始まったときには、ウエズレーはもう以前の彼ではありませんでした。
私たちは、どうかすると周りの人と違うと不安になります。
何かをしようとするとき、すぐに周りの目を気にしてしまいます。
自分たちの常識から外れている人は、排除しようとしたり、批判の対象にしたりしてしまいます。
でも、それぞれ考えていることはみんな違うのです。
だから、10人いれば10人の生き方があるのです。
自分のやりたいことを誰に気兼ねすることなく進めていけばいいのです。
それが個性なんです。
そして、自分が得意なことは人に分けてあげ、自分が苦手なことは人にお願いし、
助け合って生きていけばいいんです。
それぞれが自分の国を持つ。
なんて幸せな生き方なのでしょうか。
今からでも遅くはありません。
自分のやりたいことは何なのか考え、自分の思うとおりに生きていきませんか?
小学生のお子さんにおススメです。
ぜひ読んでみてください。