立派なかさが濡れるのがいやで、かさをさそうとしないおじさん。

ある日、おじさんが公園で休んでいると、雨が降ってきました。

小さな男の子が雨宿りに来て、友達の女の子のかさに入り、二人で歌を歌いながら帰ります。

「雨が降ったらポンポロロン
 雨が降ったらピッチャンチャン」

おじさんもつられて歌いだし、とうとうかさを広げてしまいました。

著者は、有名な絵本作家の佐野洋子さんです。


誰でも、大切に思うあまり使いたくない存在ってありますよね。
おじさんがかさが濡れるのがいやで、雨の日にかさをささない気持ち、分かるような気がします。

でも、使ってこその「物」。
使ううちにさらに特別な愛着がわき、思い出が残っていく。使うことの素晴らしさ。

著者の佐野洋子さんは、それを知らせたかったのではないでしょうか。

絵本のなかでおじさんに教えてくれたのは、小さな男の子と女の子。

「雨が降ったらポンポロロン
 雨が降ったらピッチャンチャン」
 
とても可愛くて素敵な歌です。

幼い頃、かさに雨が当たる音が楽しくて、長靴を履いて水溜まりに入って楽しんでいた日々を思い出しました。