日本酒の味わいを表す数値のひとつに「日本酒度」というものがあります。
プラス数値が大きいほど「辛口」、マイナスの数値が大きいほど「甘口」と一般には理解されているようですが、実際にはどうなのでしょうか?
「日本酒度」とはその日本酒が同じ容量の「水」と比べて、重いか軽いかを示す数値です。
重ければマイナス、軽ければプラスです。
アルコールは水より軽く、糖分やその他の成分は水より重い。
したがって、アルコール度が高く、糖分その他成分の成分の残存が少ない日本酒は、日本酒度が高く(=プラス数値が大きい)、逆にアルコール度が低く、糖分その他成分の残存が多い日本酒は日本酒度が低い(=マイナス数値が大きい)となります。
含まれる糖分が多ければ、「甘い」はずですので最初に述べた一般的な解釈は間違っていないように思われます。しかし次の疑問が沸いてきます。
アルコールを添加した本醸造などは、日本酒度が高くなる?⇒アル添は日本酒度を押し上げる要因になりうるといえます。
濁り成分は?⇒水より重いので、日本酒度を押し下げる要因ですね、
また同じ重さの糖分でも、ブドウ糖、オリゴ糖など糖の種類によって、人間が感じる甘さは違うます。
もっと重要なのは人間の舌は、酸味が強いと、甘味を感じにくくなるということです。
私の経験上、日本酒度は、マイナス10度とかプラス10度とか極端なものははっきり「甘口」、「辛口」といってもいいものが多いですが、多数派である「プラス1~プラス5」の範囲のものは、甘辛の基準になりえないと思います。
次回は、「完全発酵の日本酒は辛口か?」をテーマにお話ししたいと思います。