二つの供養
仏教には顕教と密教二つの派ありますが、その中で禅宗や浄土宗などは菩提供養を主たるものにしています。そして天台密教、真言密教などはまず生きている人の願いの成就を考えての祈祷をします。
もちろん菩提供養もしますが、特色として護摩供養を主体にします。供養の中には、供養牌と
いって何日もかけて、人の因縁をといてゆく方法があり、いらいする側も祈祷する側も長距離選手でないとつとまらない耐久力のいる供養があります。
本来供養と申すものは、亡くなった人と生きている人の両方のバランスよくしなければ意味がありません。活きている人達の現世利益ばかりしていますと
自分だけの供養になってしまい。周囲を助けることにならないのです。日本の場合、神道と仏教において供養的なものは、ほぼ同じ種類でやりますが、神道では祝詞をあげ、仏教はお経を上げるところに違
いがあり、方式の違いから言えば、神道のほうが医者で言う内科的なところがあり、仏教の方が外科的なところがあります。これはどちらが良い悪いではなく、祈祷する側の因縁によって使い分けなくてはなりません。