日本の語学講座などで韓国語を学ぶ場合,教えてくださる先生は日本語で授業を進めていくところがほとんどだと思います.しかし韓国に語学留学すると,韓国語を韓国語で学ぶことになります.受講者の母語はバラバラですので,受講者に合わせて教師がさまざまな言語を使い分けるのは現実的ではありませんので,この点は仕方がありません.

 韓国語を全く知らない初級受講者に対しても韓国語だけを使って授業が可能なのか矛盾を感じますが,そうする以外にないからという否定的な理由だけでなく,実際この方法でうまく行っています.もっとも,初級段階の受講者は言語圏別に分けてクラスを編成する教育機関があったり,延世大の語学堂のように,初級レベルのテキストを言語圏別に出版して,本文の訳や文法説明を母語で確認できるようにしているところもあります.

 韓国語は語尾の種類が豊富で,中にはほぼ同じ意味でその差が分かりにくいものも多く存在します.これらの違いをどう説明すれば,しかも韓国語で説明して受講者に理解してもらえるか,という点は韓国語教師の腕の見せ所で,恐らく先生方が日々苦心されている点のひとつだと思います.

 前回のこのブログでも取り上げた「韓国外国語大学校」のユーチューブチャンネルに,このようなややこしい語尾をいくつか取り上げて,具体的な説明方法を示した動画も公開されていました.今回はそちらをご紹介します.
 

●[사이버대학교]_20161119_주말특강_한국어교육의 실제 


 もっとも,細かいニュアンスについては韓国語母語話者でも人によって感じ方が異なる点があり,それは韓国語に限らず,どの言語にでもあることだと思います.ネイティブの感覚がない学習者は,まずは先生の講義や,教材や辞書を利用して基本的な意味を把握して,その後は実践を積んで感覚を磨いていく以外になさそうです.