声の色 | 鍛治本方程式

鍛治本方程式

演劇集団キャラメルボックスの俳優、鍛治本大樹の日記です。

おはようございます
GLAY鍛治本です。

昨日は、戦国御伽絵巻『ヒデヨシ』にGOOD BYE APRILの延本さんが観に来てくれた。

あ、キャラメルのみんなも来てくれたよ、の写真(一番後ろが延ちゃん)



終演後、ご飯を食べながら色んな話をした。
音楽とお芝居でジャンルは違えど、思っていることや、感じていることに共通点があってとても面白い。

話の流れで、「声」の話になった。

延本さんが、少し恥ずかしそうに言う。
「あの、私、いろんな音に、色がついて見えるんです……」

音色や音質で、色分けされて聞こえて(見えて?)くるらしい。
とっても面白い。

「それで、今日の出演者では、あの人とあの人は、おんなじ色してたんです」

へえ~!
ちなみに僕は何色ですか?

「鍛治本さんは、グレーで、なんか毛糸のような、ふわふわしてる繊維みたいな印象です(正確な表現は覚えてない←いや覚えてろよ、そこは)。すごく印象に残るんですよねぇ」
と言ってもらえた。

なんだか嬉しかった。
僕は自分の声にとってもコンプレックスがある。というかあまり好きではない。

お芝居を始めてから、無いものねだりなのかもしれないけど、
楽器でいうとトランペットみたいな、明瞭で歯切れの良い音が出したくて、
でも、その願望に比べて、自分の声はどこかボンヤリというか、ぼやっとしているというか、芯があまりない声に感じられて嫌だった。

トランペットのような素晴らしい発声で有名な石川カウントダウン寛美先輩に一度、相談したことがある。

「きっと、鍛治本の声帯は、そういう管楽器じゃなくて、弦楽器みたいな響きを持ってるんだと思うよ。その特性は大事にした方がいいよ。
でもね、実は坂口(理恵さん)も、弦楽器みたいな声なんだけど、場合によっては、管楽器みたいな歯切れの良い発声でもしゃべってるんだよね。だから、きっと模索してれば使い分けられる方法はあるよ。」
と素晴らしいアドバイスを頂戴した。

そこから、すごく自分の声について考え始めた。
録音もしてみて、声帯の仕組み、共鳴の仕組みも勉強した。

その話を延本さんにしたら、
「うんうん!分かります!チェロみたいなんですよね、鍛治本さんの声!私、チェロ好きなんです」
ベーシストにそんなこと言って貰えるとお世辞でも嬉しい。

トランペットみたいな声も出したくて、まだまだ模索中だけど、
お客さんにも、声が素敵ですねと言って下さる方が結構いて、段々自分の声が受け入れられるようになった。

信じられないことに、声の仕事までやらせてもらっている。

まだまだ模索し続けよう。

温かみのある声で沢山の人を魅了出来ますように。
せっかく「グレーの毛糸みたいな…(えっと正確には覚えてないけど(←一番肝心なとこ!))声」を持ってるんだしね。


追記:ご本人からTwitterでちゃんとした正解を教えてもらいました。
「消し炭色で、起毛した毛布に砂鉄をふんわり敷き詰めた感じ」だそうです!
(覚えられてなさすぎやろ……自分。)