知人が、Facebookから4月26日にチェーンソーを13000円で買ったが、未だに届かないと5月6日に愚痴ってました。

それは、詐欺に引っかかったんじゃないか。Facebookは、投資勧誘広告をノーチェックで載せ、多くの人が騙されている。ネットでもテレビでもさかんに手口を報道している。それと同じように商品売買の詐欺広告じゃないか。

 

クレジットカード会社に連絡して、口座引き落としの停止の連絡をしたらと伝えました。

 

翌日、その知人から連絡がありました。

クレジットカード会社(B)に問い合わせた。電話をたらいまわしされたが、結果、口座引き落としの停止手続ができた。

とのことでした。

 

詐欺とは、

「相手方を欺いて意思表示をさせること」です。

詐欺による意思表示は取り消すことができます。(民法96条1項)

知人の場合、Facebookに商品を掲載したA社に対して、チェーンソーを購入したところ、商品が届かないので、A社に欺かれたと判断して、購入の意思表示を取り消すことができます。しかし、A社の問合せ先もわからない。A社が応ずるかどうかはわかりませんが。まず応じない。

 

Bクレカ社は、なんの落ち度もありません。

知人の口座引き落とし停止の依頼という負担に応じる義務はありません。

チェーンソー購入の意思表示はA社に対して行い、支払についてはBクレカ社に引き落としするよう指示しました。Bクレカ社に対する引き落とし依頼の意思表示です。

 

民法96条2項ではこうなってます。

相手方(Bクレカ社)に対する意思表示について第三者(A社)が詐欺を行った場合においては、相手方(Bクレカ社)がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。

 

つまり、法的にも、詐欺の事実を知らなかったBクレカ社には、口座引き落とし停止の義務はありません。

 

しかし、Facebookを運営するメタ社に対する批判が大きく報道されている昨今、

Facebookによる売買で詐欺にあってしまったことの説明を受けた場合、Bクレカ社の社会的評価を考慮すれば、依頼に応ずるのが賢明な判断だとしたのでしょう。