須賀敦子さんの特集が新潮社から出版されました。
作品名の「トリエステの坂道」に惹かれて本を購入し、それが彼女の作品をよみはじめるきっかけとなりました。
彼女の人生そのものの作品たちは、私とはまったく違う人生なのになぜか映像が鮮やかに思い浮かぶのです。
夫ペッピーノを亡くした後にお姑さんと訪れた小さな小さな菜園。
たった一人彼女を残し狭い路地の入り口に消えた友人を待つ、ヴェネツィアの夕暮れ。
寄宿舎生活のときにお世話になったシスターの墓標を見つけた雑司が谷の霊園。
彼女の作品には、過去を思い返す寂しさがあります。
その中には、いろいろな物や人物に対しての愛情が私には感じられるのです。
この特集には彼女の作品に登場する場所の美しい写真がたくさん掲載されています。
坂道と石畳が好きな私にはなかなか嬉しいものがあります。
しかし、ジュデッカ島のレデント-レ教会の一枚は息が止まるような完璧な、手の届かないような美しさを
漂わせています。・・・きっと多くの人の心の支えであったのでしょう。
