2010 かめぜみ 冬の陣 | ウミガメと人と地球

2010 かめぜみ 冬の陣

昨日の1月23日に東京海洋大学うみがめ研究会のかめぜみ冬の陣が開催されました。
かめ研から20名ほど、外部の方が6名ほど来られて、総勢30名ほどで行われました。

まずは会長によるあいさつにより開会です。
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早速発表に移っていきます。まずは、かめ研の発表から
小川太輝
「アオウミガメの消化管過程における排出物の断片サイズの変化」
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柴田倫太郎
「アオウミガメの頭部断面」
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青木優斗
「うみがめ民俗文化 伝承・説話から得られた考察」
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照屋清之介
「アカウミガメの消化管内容物から得られた貝類について」
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坂部あい
「平砂浦海岸と今後の計測記録の利用」
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発表の後にはELNAや表浜ネットワークの方々から質疑応答の時間に貴重な意見を頂き、今後の活動の参考になったと思います。ここで一度休憩を挟み、研究者の方々の発表に移ります。
表浜ネットワークの田中雄二さんによる
「生態を把握した包括的な保全に 保護・保全活動の課題」
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ELNAの井ノ口栄美さんによる
「ストランディング調査の重要性」
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同じくELNAの田中真一さんによる
「ウミガメ保全と政策」
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皆さん本当に真剣に聞いていて、活発に質疑応答が交わされていました。
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今回は時間通りの5時に閉会しました。
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この後は居酒屋にて研究者の方々を交えた懇親会が開かれました。
冨澤は行けませんでしたが、間違いなく有意義な時間をすごすことが出来ていたと思います。

今回もいつもながら有意義な時間をすごすことが出来ました。各自にとって今後の活動の指針になったことと思います。
次回は5月に新入生に向けて開催されます。


冨澤

追記です。


今回のカメゼミは、昨年とは内容が少し印象の違う議題が多かったように思います。
ストランディングの内容報告に加え、新たな趣向も加えられていました。昨年度は郊外での活動(協議会での研修・シンポジウム参加など)も多く、その発表報告もあり、個人の活動が生かされた発表でした。また、文化面についての発表もあり、かめ研の活動の幅の広がりを感じさせる内容ばかりでした。

外部の方からも、貴重なご意見と共に、大変勉強になり議題を提供して頂きました。
表浜ネットワーク・田中さんからは、生態を把握した包括的な保全ということで、普段はストランディングを扱うカメ研にとっては新鮮な内容でした。カメ自身の保全に回る立場となった場合、さまざまな問題が生まれ、行政的な問題がつきまとい、カメだけを守ろうとしても、自然が保全されているとはいえないのです。環境を整え、カメだけでなく砂浜も、周辺の生物も考慮し、単純に保全を考えるのではなく、複雑な関係(海・陸・様々な生物そのもの)を念頭におき、保全する立場が重要であると感じました。

ELNA・井ノ口さんからは、ストランディングの重要性について、丁寧にご説明いただきました。
カメの生態を知るには、やはり実物であるカメを観察するのが一番です。また、ストランディング調査をすることで、カメの死因、摂餌、回遊、などの解明につながる手がかりは山のようにあるのです。これからも、スト調査の大切を大切にし、データの管理もしっかりと行っていきたいです。また、まだ行ったことのない人もいると思いますので、是非行ってください。経験値ははんぱなく上がります!!

ELNA・田中さんからは、保全・保護のお話でした。
まず、ウミガメに対する各国の評価にて、日本はワースト1となっているとのこと。これは、ウミガメの漁業での死亡や、食用なども影響しているようです。アメリカでの保護に関する体制(TEDsの義務化にまつわること)や、ワシントン条約などについて、多くのカメに関する政策を知ることが出来ました。やはり、カメを調査するものとして、このような世界的な動きは把握していく必要があると思いました。また、日本国内の動向も忘れてはいけません。しかし、行政上の管轄のつながりの問題、縦割りな事柄も多く、諸外国ほどはうまく行かないそうです。いかに行政やNPOなどが連携をとっていくかがこれからの課題であり、実現にむけた具体的対策が必要であると感じました。

冬季カメゼミにお越しくださいましたみなさま、本当にありがとうございました。
今後とも、ご指導ご鞭撻の程を宜しくお願いいたします。


今後も、カメゼミや、その他の活動もより一層盛り上がっていくことに期待です。
かめ研の基本活動であるスト調査の重要性も忘れることなく、同定技術の向上など
課題は多くありますが、部員の皆さんの協力あっての活動です!
これからも頑張っていきたいと思います。

坂部