秋田でクマの飼育はしないらしいが、残されたクマたちが無事に新しい地で暮らせるように望む。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120609-OYT1T00714.htm?from=popin

クマ牧場2人死亡「運動場に雪投げた」元従業員

 秋田県鹿角市八幡平の「秋田八幡平クマ牧場」で今年4月20日、逃げたヒグマに襲われて女性従業員2人が死亡した事件で、業務上過失致死容疑で9日に逮捕された元従業員の舘花清美容疑者(69)(秋田県鹿角市)が県警の調べに対し、「運動場に雪を投げた」と話していることがわかった。

 県警は、雪が捨てられたことで運動場内に雪山(高さ約3・3メートル)ができ、これをクマが登って逃げたとみて捜査を進める。

 県警によると、舘花容疑者は4月16、18日に運動場周辺など牧場内を建設機械で除雪した際、雪を運動場内に投げ入れたことを認め、「(運動場の隅近くにある)プールに捨てれば、解けると思った」と供述しているという。

2012691949 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20120608-OYT8T01329.htm?from=popin

クマ牧場経営者が廃業届

 鹿角市八幡平の「秋田八幡平クマ牧場」でヒグマに襲われて女性従業員2人が死亡した事故で、佐竹知事は8日、同牧場を経営する長崎貞之進氏(68)が動物取扱業の「廃業等届出書」を県に提出し、7日に受理したことを県政協議会で報告した。

 長崎氏は廃業でクマの一般公開に必要な展示登録は取り消されたが、飼育が危険な「特定動物」の飼養許可は継続するため、クマ27頭の飼育に影響はないという。廃業は1日付。長崎氏が6日に提出した。

 県生活衛生課によると、県は5月下旬から計4回、同牧場に立ち入り検査を実施。「動物愛護法の規則違反があり、動物取扱業の展示登録の取り消し要件にあたる」としたが、現在は営業しておらず、長崎氏も牧場閉鎖の意向であることなどから行政処分を見送った。

 同課の加沢敏明課長は「廃業しても飼育環境に影響はない。譲渡先が見つかるまで可能な限り飼育を続けてほしい」と話す。

 また、県は県政協議会で、同牧場で給餌などにあたる県の非常勤職員の雇用期間を今月4日~8月3日としていたが、最長で10月末まで延長する方針を示した。クマの譲渡先決定後の移送手続きなどにかかる時間を考慮した措置。今年度一般会計補正予算案に人件費計約410万円を盛り込む。

 また、県は同協議会で、クマの譲渡先探しの窓口となっている日本動物園水族館協会(東京都)から、日立市かみね動物園(茨城県)など2施設でツキノワグマ、東武動物公園(埼玉県)で「交雑していない雌のエゾヒグマ」の受け入れが可能と連絡があったことを報告した。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20120605-OYT8T01282.htm?from=popin

クマ牧場死亡事故、県議7人現場視察

長崎氏(右)に経営責任を問う委員の県議ら(5日、鹿角市八幡平の「秋田八幡平クマ牧場」で)

 鹿角市八幡平の「秋田八幡平クマ牧場」でヒグマに襲われ2人が死亡した事故で、県議会福祉環境委員会の委員の県議ら7人が5日、同牧場を視察した。委員らは立ち会った経営者の長崎貞之進氏(68)に対し、経営責任や管理のずさんさを指摘するとともに、残されたクマ27頭の譲渡先を早期に確保するよう求めた。長崎氏は譲渡先の確保に努力することを約束した。

 委員らは約1時間かけて、長崎氏の説明を受けながら、クマが脱走した屋外施設の運動場や、餌場、飼育するオリなどを見て回った。途中、委員は女性従業員2人が亡くなった現場2か所に花を手向け、黙とうした。

 長崎氏はこの場で、委員らに対し、「今回の事故では莫大(ばくだい)な経費援助などでご迷惑を掛け、本当に申し訳ない。早くこの件に幕を引き、(県費での)援助を終わらせたいと思っている」と陳謝。委員らは、相次いで事故に対する経営責任や、管理のずさんさなどを厳しい口調で指摘した。

 県が「残雪がある間はクマを運動場に出さないよう口頭で指導した」としているが、長崎氏は「覚えがない」と主張していることについて、委員が長崎氏に説明を求めた。

 長崎氏は「そのような指導は受けていないが、もはや言った、言わないの水掛け論で、この問題は解決できない。行政の援助が必要」と述べた。これに対し、委員は「いつまでも県費で支援するわけにいかない。1頭でも多く譲渡されるよう責任をもつべき」と述べた。

 また、委員から「事故の責任をどう考えているか」と問われた長崎氏は「私に全ての責任がある」とした上で、「いかなる処罰になろうが十分覚悟して、早い時期にクマの問題を解決できるよう努力する」と話し、少なくとも6月中は飼育を続ける意向を示した。

 ただ、長崎氏は、クマが運動場から脱走する際に登った雪山の形成過程などについて聞かれると、「捜査中で、私の口から言えない」と話した。

 県議会福祉環境委員会の児玉祥子委員長は視察後、取材に対し、「事故は全国的に報道され、県のイメージダウンにつながった。県が今後どこまで県費を投入するか難しいが、経営者も責任を取り、1頭でも多くクマの受け入れ先がみつかるよう全力で当たってもらいたい」と話した。

201266 読売新聞)