七夜待

タイトルは「ななよ まち」と読むのだけど、
私はずっと「ななよ ざむらい」だと思ってたので、
どんな勇ましい話だろうと思ってたら、
それはアホなカンチガイで、
たいへんに、みずみずしく、美しい映画だった。
舞台はタイの緑濃い村。
クレジットに至るまで、効果音楽はいっさいなく、
川のしとしとした音や、鳥の鳴き声や、
葉がすれる音や、雨の音や、人の喧噪だけが、ずっと流れ続ける。
それだけに、自分がまるでそこにいるかのように、
風景が立体感を持って迫ってくる。
ストーリーの説明が少ないので、
「なんでこうなるわけ?」
と言い出せばキリがないのだけど、
これは、細かいことを気にしながら「観る」より、
田舎の素朴なヒーリング映像を観るような気持ちで、
「眺める」という姿勢に徹したほうが、
楽しめる映画だと私は思う。
白眉は、長谷川京子の美しさ、エロさ!
いままで「顔立ちがあんなに整っているのに、
なぜか華のない、演技のうまくない女優さん」
というイメージしかなかったのだけど(ごめんなさい)、
きっと彼女にこの撮影手法はあっていたのだろう。
演技している部分はやっぱりヘタだけど、
ほとんどは素の表情になっていて、
それがなんともいえず、いいの。
水滴がぷるぷる光る、白い睡蓮みたいな美しさ。
エロいといえば、
たくさん出てくるタイマッサージのシーン。
タイマッサージにはまり、資格までとった友人が、
「タイマッサージは身体性が高くて、
2人で呼吸をあわせ、いろいろなポーズで行う。
セックスみたいなんだ」
と言ってたことがあって、
「ほんとかよ」と思ってたんだけど、なるほどなあ。
つくられたエロさじゃなく、
花が受粉したりするのと同じような、
開放的で自然発生的なエロさがあるのね。
惜しむらくは、どーせあそこまで
ノーブラタンクトップで胸ちらちら見せまくったなら、
(タイ旅行で日本人があの姿ってどうなの~)
村上淳とのシーンはきっちり全裸を見せるべきだったんじゃ?
そのほうがよっぽど自然で、風景となじむ。
あの出し惜しみは女優としてどうなのさ!どんどん!
(ナタリー・ポートマンやペネロペ・クルスや
菅野美穂を見習って!)
そうそう。映画の中で、
ゲイのフランス人が「雨だ(ラ・ブリュイ)」と言うと、
フランス語のわからないハセキョーが「ラブリー?」
と聞き間違えて、そして雨が降り出すシーンがある。
ちょっと間抜けなんだけど、美しいシーンだと思う。
この映画で降る雨は、妙になまなましい。
一瞬、旅行した気分になる映画。
こういう映画は、あっていいと思う。
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