携帯を閉じ、まずは風呂だ風呂!
だってこれヘアスプレーで染めてるし
風呂から出て洗面所を見ると相変わらずな、クリーム色の髪に黄色の瞳。
これは、正真正銘自前だ。
前髪を上げ、サイドの髪をピンで邪魔にならないように流し、
いつもの黒いニット帽を被って私服に着替えれば
オシオキスタイルの完成☆
あ、☆とかキモかったかー
さて、ここからが勝負だ。
俺は窓から部屋を出て旧校舎へ向かった。
「もー!京ちゃんおっそーい!」
旧校舎のいつものたまり場の扉を開けると、
すぐさま栗毛の俺よりでかい男が飛び掛かってきた。
まぁ避けたけどさ!
「飛び掛かってくんな!てめぇ自分の身長考えろボケ!」
「ごめんってー京ちゃん恐いよ~!!」
「東やめとけって」
この、ふざけた口調の栗毛は難波 東(ナニワ アズマ)で俺の相棒の一人。
で、この東と瓜二つだけど髪色が違う冷静そうなのは難波 西(ナニワ セイ)。
こっちも俺の相棒で、この2人は双子だ。
それも…
「はぁ~?西ちゃんが口出しするトコじゃないじゃん?」
「京。今日の行動は…」
「おい西無視すんなよー?」
超仲悪ぃ双子。
ちなみに東は終始にこにこしてて逆に恐いよ。
「おら喧嘩すんな!はい今日の行動は?」
「旧校舎1階1-A、体育館裏で強姦が起こるみたいだ。
旧校舎の方は2-Bの伊田 孝助が。体育館裏は1-C宇島 泪が被害者。
両方2-Eの連中だな。伊田に3人で宇島に6人だ。」
「え、宇島ってやつの方多くね?」
「宇島君の方は制裁っぽいねーヤダヤダ」
「とりあえず今は救出だ。東は伊田で京は宇島だ。」
「「了解」」
-東side-
体育館裏に来ると、
「いやだっ…はなっ、ぐっ…ゲホゲホッ」
「大人しくしろよなぁー諦めろってぇー」
という、少年の声とゲスの声が聞こえる。
あー助けないとなぁー
そこで僕は手をパンと鳴らす。
「はいそこの君たち!なにやってるのかな?」
それは、この学校で東様と崇められている生徒会書記の顔で。
「おやおやこれは…そこの君。大丈夫かな?」
そういって僕は襲われていた少年…伊田君の手を引く。
伊田君はビックリして開いた口がふさがんないみたい☆
「せ、生徒会書記の難波東…なんだ?お前も混ざりに来たかぁ?」
どうやらゲスにはゲスな思考しかないみたいでーす
「そんなわけ無いでしょう。さぁ君はお帰りなさい」
「そ、そんなっ、東様は…!」
「僕は心配要りません。さぁ」
ようやく伊田君の姿が見えなくなったところでゲス達が口を開く。
「あーあー書記様のせいで相手居なくなっちまったなぁー」
「なぁー書記様が相手してくれんのぉ?」
「お!いーじゃん弱そうだしヤっちまおうぜ!」
弱そう?
「ふっ…くはははははは!!笑えるねぇキミら!僕が弱い?」
いきなり笑いだした僕にゲス達は目を見開く。
なんでかって言うと僕の雰囲気が違うから。
「ねぇ…キミら…『霧魔』ってしってるぅ?」
ゲス達は一気に顔を青くして固まった。
ほら、楽しい楽しいオシオキだよ?
-京side-
旧校舎の1階を足音をたてないようにすすむと、
徐々に、嫌だ嫌だと言うような声と
それを黙れと言う声が聞こえてきた。
あ、殴ってる。
扉の前にたち深呼吸…そして扉を蹴破った。
「はーい制裁現場発見しましたーみたいな?」
いきなり現れた第三者こと俺に全員吃驚。
声もでないようだ。
「オシオキの時間ですよ?」
にっこりと笑うと、暴行現場を見ていた命令犯らしき
小柄な生徒が口を開いた。
「な、なんなのお前!?なんでいるの!?」
「んーそれは俺がこういうの取り締まる役だからじゃね?」
「だから名前言えっていってんの!」
ヒステリックなやつだなー
「えーそりゃ失礼!俺は『黄虎』っつーの。以後よろしくー」
黄虎の名を言うと、一気に実行犯達が青ざめた。
「黄虎!?なんでここに…!」
「こっ、殺されるっ!」
「噂通りだ…」
命令犯3人はなにがなんだか全くわかっていないようで、
「黄虎?な、なんなのそれ!?」
「あんたたち説明してよぉっ!」
「会長さまが探してる奴じゃないの!?」
等と騒ぎ立てる。
宇島ってやつは目を丸くしてこのやり取りをみてる。
さっさと逃げろよ!?
そして、ようやく実行犯の1人が口を開いた。
「おっ、黄虎はっ…無敗の族潰しなんだよ…!!」
「あったりーつーこでさ…てめぇら一片死ね☆」
暫く実行犯たちを殴り、蹴り、隅の方で震えていた命令犯を
ひっつかまえて尋問開始。
どうやら糞会長の親衛隊みたいだ。中心は親衛隊副隊長。
やっぱ糞の親衛隊は糞みたいです。
てことで、一発かまして全員黙らせましたまる☆
「んー仕事おわっ「あ、あのっ…」ってなかったわー」
肝心の宇島忘れてたよ。
「ありがとうございました…!え、えと、黄虎さん!」
「あーいやいや俺の学園生活楽しくするためにやってるだけだし良いよ良いよ」
正直に言い過ぎたか!
「ははっ…そうですか。ありがとうございました、では!」
そういって宇島は走って出ていった。ように見えた。
「さて。俺もかえるかー」
そう言って教室から出て、廊下の角を曲がるとにっこり笑った
宇島と生徒会メンバーがいましたまる。
「宇島ぉぉぉおおおお!?」
俺が思わず叫ぶと生徒会長が口を開いた。
「残念だが宇島はグルだ。久々だなァ…
黄虎よォ…」
宇島てめぇ消えろ!!
心中で悪態を吐きつつも、この状況を理解するために
深呼吸を始める。
つか、なんで東と西いんだよ?
「ちなみに霧雨…西の方がいいか?それと霧魔、東はこっちで確保させてもらったぜ?」
さ い で す か !
「黄虎…すまない」
「き、ゴホゴホ 黄虎ちゃんごめーん!」
「コイツらが猫被ってんのは知ってたがこんな性格だったとは知らなかったぜ?」
嗚呼…先が思いやられる…。