金融業界と聞くと、お堅い現実主義的なイメージを浮かべる方が多いでしょう。しかし、金融業界ほど「信用」という言葉を耳にする場所はありません。

 

 

クレジットカードで買物をしたり、車や家を購入する際に契約するローンというのは全て信用取引です。「この人は後々ちゃんとお金を払ってくれるだろうから先に物を渡してしまおう」というのがカードでの支払いであり、ローン契約ですね。もちろん審査はありますが、通ってしまえば「カード会社や銀行が自分のことを信用してくれている」という理由だけで一括では購入できないような高額な商品をも購入することが可能です。

他にも金融の世界では『信用』ありきの取引や商品がたくさんあります。なぜかというと、お金の価値の本質は信用だからです。現代のお金は紙幣や硬化ですね。でも形なんてなんでも言い訳です。大多数の人が「これには価値がある」と認識すればそれがお金に変わります。最近ではビットコインなどのデジタル通貨も出てきましたし、イギリスでは紙幣を使うのを辞めて、プラスチックの板を通貨にしようという動きもあります。つまり、「これはお金なんだ!」と信じる心があれば形なんてどうでもいいということです。

 

これでお金とは大多数が信じることで生まれる・成り立つということが分かりました。これは言い換えるとお金は幻想ということになります。私たちが生きているこの地球や宇宙にはお金なんてものは元々ありません。私たちの目の前にあるもの大空や大地であり、空気や水や土、動物や木々だけです。本当に価値のあるものはそこにある訳です。ただそれを無視してお金という幻想の価値を重要視している社会になっています。

 

『世界の富豪トップ26人が、世界人口のうち所得の低い方から数えて半数(約38億人)の資産と同等の富を保有している』というのが昨年あたりに話題になりました。これを聞いて皆さんはどう思われたでしょうか?私はこのまま行けばお金がなくなると考えています。

というのも、お金は大多数の人が価値を認識して初めて意味を成すものです。しかし、そのお金が特定の人だけに集中しすぎて他の大多数は少ししか持っていない、あるいは全く持っていないと価値は消え失せます。そこで原点回帰が起きます。つまり、『価値の転換点』を迎えるのです。どういうことかと言うと、お金を持っていない人が増えると「そもそも価値ってなんだ?」と自然に考えるようになります。そして、「本当の価値は私たちの目の前にある自然にあってお金にはない」と言う結論に至ってしまいます。具体的には、私たちが生きる上で本当に必要なものは何か、を考えるようになります。それは食料であり、水分であり、土地なわけです。この三つは生きていくための根源です。本来あるべき所に価値が戻ってくるのです。

お金には価値がないと気付いた農家さんにどれだけお金を渡しても食料を渡してはくれないというような現象が少しずつ起きてくるかもしれません。ではどうやって価値あるものを手に入れていくのか?それはこれからの新しい時代の生き方なのでしょう。とりあえずはしっかり本当に価値あるものを確保しておきましょう。