わたしが子供の頃

裏山が宅地になる事が決まった

わたしの部屋からは1本変わった つつじが咲いていた


普通の山つつじはピンクなのだが

そのつつじは朱色で

季節外れに花を咲かせた

どんどん工事は進む

その つつじは丁度崖になっている所に咲いていた

工事のおじさんにこのつつじを残してくれるように頼んだけど

全部コンクリートで固めるとのこと


気になるならおがしてやるけん 埋めかえちゃれ


わたしは断った


あの場所だからこそ美しく咲いていたことをわたしは知っていたから


バキバキとつつじは折られて消えた

花の盛りだった


いまでも実家に戻ると自室に上がり


つつじを思い出す


不思議なことにあのつつじと同じつつじはみたことがなぃ


わたしだけの幻の つつじだ