きょうはわたしの父のことを聞いて下さい
わたしの父は57歳
20のときにわたしが生まれました
いわゆるできちゃった結婚
父の容姿はマリオ
体じゅうに落書きがある人
若い頃は暴れん坊
母の頭をビール瓶で割ったことがあります
警官に母は離婚を勧められたそうです
外でも大暴れを何度も繰り返し
留置所にほりこまれてました
父の会社の社長さんは
怖い人でしかも上のクラスの人
その人が治めてくれて無事にいました
家じゅうの物は壊され
暴れる日々は続きます
離婚して
母に頼みますが生活力のない母はうつむくだけ
運動会にも来てくれない父
来たと思ったらお弁当だけ食べて帰った
その後わたしのバトンダンスがあったのに
あたしが20歳の頃
変なことがありました
夜勤明けで寝ているあたしを起こしに来た父
出かけるから用意しろ
ジーパンのあたしにもっと綺麗にしろ
豹柄のタンクトップの上にミニタイトのスーツを着て
化粧をしてヒールの靴を履いて父の車に乗りました
どこに行ったと思いますか
父の友達のたまり場です
父は何もいわずわたしを連れていきました
愛人に間違われるのを喜ぶ父
綺麗だと言われまくり、じつはこれ娘よと、種明かしして喜ぶ父
なんじゃこりゃ
3軒くらい周り
ほめられて喜ぶ父
後日家の息子に紹介してといわれたそうですが
断って喜んでました
その後
わたしは看護師になり家出しました
家が嫌だったからです
父は大暴れ
母はあたしにもう帰ってくるとこないからね、といいました
2年後
結婚したい人がいると母に旦那を紹介しました
母は旦那に殴られる覚悟はしてね、といいました
父はスーツを着てかしこまる旦那を見て
よさそうな人やないか
といいました
そして
あたしを見て
元気やったか、
泣いてました
いつ結婚するか
と」聞きました
父は少し小さくなってました
それから
父は二度と暴れてません
息子の誕生と不運を
1番強く感じていたのは父です
わたしは父が大嫌いでした
でも今は
父が大好きです
いつまでも元気でいて欲しい
わたしはあなたの娘です