もう先月のことになるけど、
Yahoo! JAPAN Internet Creative Award 2010のバナー部門で
Goldを頂くことができました。

YahootterMan!
広告日記 SHUN-KAN

初めてちゃんと応募した広告賞だったので、それはそれで嬉しかったのですが、
なんでこれを作ろうと思ったのかを忘れないように書いてみました。

お題は、「LIFE ENGINE」としてのYahoo! JAPANをテーマとしたバナー作品

個別のサービス(ヤフオクとか)を扱ってもいいし、Yahoo!のブランド広告にしてもいい。
昨年のGoldは直球のブランド訴求で、ライフパートナーであるYahoo!を犬にたとえたものでした。

このお題をみて最初に考えたことは、Yahoo!の一番いいところってなんだろう、ということ。
何のバナーを作るかで、勝負の半分が決まってしまいそうに思ったからです。
僕は何かをするとき過去作品を見ることから始めるのですが
去年の作品を見ても、犬、スタンプラリー、あいさつ、と
聞いただけですでに「いいな」と思わせるものばかり。

で、ネタ探しのためにYahoo!のサービス一覧を見たのですが、すごく多いんです。

http://services.yahoo.co.jp/


はじめてこのページに行きましたが、こんなにあったのかと。
婚活サイトがあったり、排出権も購入できたり。

このとき漠然と、

「Yahoo!のいいところってサービスがたくさんあること」

なんじゃないかと思いました。
一つ一つのサービスを見ると競合が多かったり、比較しにくいところもある。
検索はGoogleと提携していたり。
でも、これだけ多くのサービスがあるサイトは、他にはない。
これをバナーでうまく表現したいなと。

たくさんサービスを出すために最初に思いついたのは、おもちゃのガチャガチャでした。
バナーを触るたびに違うサービスが出てくるタイプ。
ただサービスをたくさん出すだけなら、
去年のYahoo!スタンプラリーも同じ考え方なので、
ひとひねりしないといけない。

会社のECDがセミナーで言っていた、
「アイデアを出すには、歴史的コンテキストを知ること。
そうしないと、ぱっと思いついたものが新しいのかどうか、判断できないから。」
という言葉を、何となく思い出してました。

ちょっと悩んでいたら、ふと診断メーカーのことが頭をよぎりました。
こういうやつ。
Twitter IDを入れるとランダムでちょっと面白い文言が出てくる。
そうして出てきたのが、Yahootter(やふったー)。
このときはTwitter IDを入れると、ランダムにサービスが出てくるだけ。

でも、なんかつまらないんですよね。
そりゃ診断メーカーみたいに気の利いたセリフが出てくるのと違って、
こっちはサービス名しか出せない。絵をちょっと面白くしても限界がある。

ただ、Twitterを使う、ということだけは
一緒にやっているメンバーの中でもひっかかるものがありました。
今年のカンヌはTwitterの年って言われていたし、
サイバーライオンではTwitterを使っていないものが珍しいくらい。

そして次の週に出したコンテがコレ。

広告日記 SHUN-KAN
絵と字がヘタすぎて恥ずかしい。

このとき追加した要素は2つ。

①ユーザーのツイート内容と、Yahoo!のサービスを結びつけて出すこと。
サービスごとのキーワードを指定して、そのキーワードをつぶやいたユーザーに出す。
②YahootterにManをつけたこと。
無機質なサービスに、キャラクターをつけた。

Manをつけたのは、古いコピー年鑑をパラパラみながら
ペプシマンを見つけたときでした。

①のアイデアはみんなとの打ち合わせ中にすぐに出ていたのですが、
Googleのアドワーズと違って、精度は期待できない。
だから、自分のツイート内容からちょっとトンチンカンなサービスが出てきても、
「まぁ、このキャラだから仕方がない。」
と思えるようなトボケたところのある設定にしました。

そこからキャラクターや演出を考えていったり紆余曲折があったのですが、
あらためてコンテを見返すと、
結果的にほぼそのままの内容のバナーになっていました。

YahootterMan!

見えないところの話をもう一つ。
キーワードを500個くらい設定して、
そのままテストすると同じようなワードばっかり拾ってきて、
毎回同じ結果になってしまいました。
みんな、つぶやきやすい言葉って決まってるんですよね。

このバナーのコンセプトは
「Yahoo!のサービスを色々知ってもらう」「何度もやってもらう」
ということがあったので、
できるだけ予想していない結果を出したい。

だからキーワードごとに3段階の比重をつけました。
みんなあまり知らなそうなサービス(例えば、Yahoo!無線LANスポットとか)の
キーワード(例えば、iPhoneとか)があると優先的に表示させる。
そして「Yahoo!ってこんなサービスもあるんだ。」と感じてもらう。
それがYahoo!にとって一番のブランディングになるんじゃないかと。

そんなことを毎週末メンバーの自宅兼スタジオで
ゴチャゴチャ考えながら作ってました。

次は2月の1-click Awardです。