フン!黙って働いていれば非正規雇用労働者だってきっと認められるんだよ! | インターネット非正規雇用労働者組合

フン!黙って働いていれば非正規雇用労働者だってきっと認められるんだよ!


よく言われる事に非正規雇用だって、一生懸命がんばれば正社員になれるという方がいます。

しかし非正規雇用で働く側にとっていつ解雇されるかわからない不安定な弱い立場に置かれている

とそんな、何の根拠も無い無責任な決まり文句を真面目に受け止めろというのはハッキリ言って酷なものです。


(独)労働政策研究・研修機構 の「多様化する就業形態の下での人事戦略と労働者の意識に関する調査

には非正規雇用の今後の待遇改善や正規雇用への転換についての質問が多数あります。

属に言われている非正規雇用者の努力は本当に実るのか?

今回は(独)労働政策研究・研修機構 の調査結果からその実態を探り出してみたいと思います。



上記のグラフはいきなり核心の質問からです。

事業所の視点から正規であろうが非席雇用であろうが雇用形態に関係なく今後、同一労働には同一賃金を

もって報いる気があるのか?非正規雇用者に正規の仕事をさせている事業所は一体どう考えてるのか?

半数を超える60%以上の事業所が今後も非正規雇用者だと言うだけで正規と同じ仕事をしていても

賃金で報いる気は今後も無いと回答しています。無回答の5%も合わせれば

非正規雇用者に正規の仕事をさせている事業所のうち3分の2近くの事業所では非正規雇用者に

その仕事の対価であるはずの正規と同水準の賃金を支払わないという事です。

こんなことが平然と許されるのはいつでも非正規雇用者を解雇できるという優越的な地位を利用して

対等な立場ではない相対的弱者である非正規雇用者に不当な低賃金労働を今後も押し付けていくという考え方を

露骨に表わしていると回答を見る側に取られても仕方が無いのではないでしょうか?正直、気分が悪くなる回答結果です。





非正規雇用者は労働の質で評価されなく同一労働、同一賃金はあきらめても

せめて非正規雇用者にも昇給制度でもあればその努力を事業所への貢献として評価され

少しは報われるのではないでしょうか?

上記左側のグラフは非正規雇用者の昇給制度有無について、上記右側のグラフは昇給理由についての回答です。


非正規雇用者の昇給制度を導入している事業所は11%、導入してない事業者は36%

非正規雇用者を採用している事業所の2割程しか昇給制度にも期待できないにのが冷たい現実のようです。

(調査対象の事業所の4割は非正規雇用をしていません。)

残念ながらこの結果を見ても昇給によって非正規雇用者の努力を積極的に賃金面から認めて行こうという

傾向は読み取れません。昇給制度がある事業所においてもその昇給理由はあくまでシビアに仕事に対する職能や

実績が評価され、非正規雇用だという理由だけで不当な低い賃金でただいたずらに

働いたとしても勤続年数や年齢では評価されない傾向が出ています。昇給制度の採用有無もそうですが

その理由も正規雇用よりも厳しいものであることは間違いありません。

非正規雇用者が法体系で十分に保護されないことが解雇できる側の強者である事業者に優越的地位を

与えごり押しを通してしまっている現状は腹立たしくもありまた絶望感すら覚えます。


正規でなければまともな労働者」で無しそんな事業所側の不合理な考え方が伝わってきます。

こうなるともう根本的な解決策としては非正規席雇用者が正規に転換されるしか救いはありません。

正規への転換制度があり、実際に事例もある事業所はどれくらいあるのでしょうか?





非正規雇用者が正規雇用に転換制度があり転換の確かな実績があるのは

非正規雇用者を採用している事業所のわずか1割ほどとなっています。10人に1人の狭き門です。

これはもう難易度のそこそこ高い国家資格試験並みです。

努力すれば誰でも非正規雇用から正社員になれるよなんて言う軽はずみな言葉は

この調査結果を見る限り無責任極まりない所詮、他人事としてしか非正規雇用者の置かれた

不利な立場を考えてないと言わざるを得ないでしょう。